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「犬食は動物虐待ではない」韓国大統領候補の発言

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「犬食は動物虐待ではない」
 韓国大統領候補の発言が物議を醸す

2021年11月3日(水) COURRiER Japon

国民は「犬食禁止」を求めている 2022年に行われる韓国大統領選挙。
その有力候補の一人であるユン・ソクヨル前検察総長の発言が話題だ。
香港メディア「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」によると、日曜日に行われたテレビ討論会で彼は「話題性のある問題について議論」し、国民に衝撃を与えたという。
韓国にはもともと、犬食の伝統があった。
だが動物愛護の意識が高まるなか、来年5月の大統領選挙では「犬肉禁止の可能性」が争点のひとつに浮上している。
リベラル派の文在寅大統領は動物愛好家として知られており、10月には「古くからあるが消えかけている犬肉文化を、法的に禁止する可能性」について提起したのだ。


2021年3月2日、韓国・ソウルで抗議活動をする動物保護協会。犬肉を法的に禁じることを求めているPhoto by Chris Jung/NurPhoto via Getty Images

韓国には、犬を残酷な方法で食肉処理することを禁止する法律はある。
だが犬の肉を食べることそのものを禁じる法はないのだ。
問題となっている討論会では、同じく大統領候補であるユ・ソンミンが、この話題についてユン前検察総長に見解を尋ねた。
ユンは犬肉の消費には「個人的には反対」だが、法律でこれを禁じることについては「社会的なコンセンサス」が必要であると答えた。
これに対しユは、「国内にはペットを飼っている人が約1500万人いることを考えると、(犬肉の消費は)非常にセンシティブな話題です。動物虐待と密接に関連していることなのに、個人の選択の問題に留めておいて良いのでしょうか」と問いかけている。
ユンは「食肉用の犬はペット用の犬とは異なる環境で飼育されているので、犬食は動物虐待の問題ではない」と回答。
これが討論会を視聴する人々に衝撃を与えたのだ。
ユンは4匹の犬と3匹の猫を飼っており、自称動物愛好家である。
肉として飼育されている犬は劣悪な環境にいることが多く、虐待と言って差し支えない。
討論会では「食肉用の犬は、ペットやコンパニオンとして飼育されている犬とは違う扱いを受けて良いのか」という問いも受けていたが、彼は明瞭な答えを返すことができなかったという。
大統領候補による一連の発言を受けて、11月2日には約100の動物保護団体が合同でユンに謝罪を求める手紙を発表した。


食肉にされる犬たちの姿

韓国では犬を「食肉」として扱うことに忌避感を覚える人が圧倒的に増えている。
一方、犬肉を売ることで生計を立てている業者は、犬の食肉処理が違法にならないよう「食肉用の犬」と「ペットとして飼育する犬」を区別するよう政府に求めているという。
たとえば鶏や豚を多くの人は肉として認識するが、ペットとして可愛がる人もいる。
ある動物を家族として大切にする一方で、食用にすることで生計を立てている人もいる。
韓国には犬食が文化としてあったぶん、この問題は一筋縄では解決しないのかもしれない。
 なお、同国で10月に行われた調査では、回答者の78%が「犬や猫の肉の生産や販売を禁止すべき」と回答している。

【動画】韓国内最後の犬肉市場の様子


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