「あの子の命」も「この子の命」も同じ命!!
ペット業界の闇を見てきた女性の新たな挑戦
2021年7月9日(金) まいどなニュース
コロナ禍で猫ブームが更に加熱をしています。
犬より手がかからず、家の中で「手軽」に飼えると人気です。
しかし、その影で不幸な猫もたくさんいることを忘れてはなりません。
そこに目を向けた若い女性が福岡県におられます。
ペットフォトグラファーの力久(りきひさ)くるみさんです。
現在26歳。
彼女は元々生物が好き。
動物も植物も。
いつか生物に携わる仕事がしたいと思い、大学も理系を選びました。
それでも、生物とは関係のない企業に就職しようとしていたところ、ある猫カフェとの出会いで原点に戻ります。
「私は動物が好き!」 そこは保護猫カフェではなく、血統書つきの猫たちが過ごすカフェだったんですって。
福々しい猫たちが、のんびり過ごしています。
彼女の夫も猫好きで、一緒に訪れていました。
3年前のある日、お気に入りの猫の子供が生まれたと聞きつけ、見に行くことに。
まあ愛らしいこと愛らしいこと。
「こんなに小さくても生きているんだ」 とても感動したといいます。
お店に頼み込んで、子猫のうち1匹を譲ってもらいました。
アメリカンショートヘアとマンチカンの間に生まれた子猫はたいそう愛らしく、健康です。
譲られた子猫は「さくら」と名付けられ、力久夫妻に可愛がられます。
元気いっぱいのさくらちゃん
くるみさんの猫好きは最高潮!
こんな可愛い子に囲まれて仕事がしたい、そう思い猫カフェの門を叩きます。
修業させてもらえたものの、店の先輩の言葉が深く胸に突き刺さりました。
「ペット業界の闇の部分も知った方が良い」 それからくるみさんは、ペット業界について調べ始めました。
ブリーダーの遺棄があることも知りましたし、たくさんペットショップに犬猫が陳列されているのに殺処分が行われていることも知りました。
多頭飼育崩壊も…。
さくらちゃんと初めて出会ったころぐらいの子猫も、殺処分されている…。
目をそむけたくなるような現実の数々に、くるみさんは胸を痛めているヒマはありませんでした。
くるみさんが保護した子猫…まだ目が開いていませんでした
「何とかしたい」 その思いが新たに生まれたのです。
それでも知識も経験も財産もない女性に何ができるのか…。
彼女ままず、自分の社会的地位を固めることにしました。
急がば回れです。
彼女の仕事とはペットフォトグラファー。
一般家庭のペットをモデル並みに綺麗に撮影するんですって。
それと並行して、裏の部分を知るためにペットショップでアルバイトも始めました。
そんな生活が数年続き、ペットフォトグラファーとしての地位も固まった今年、ついに里親募集サイト『WITH』を開設。
くるみさんが開設した、念願の里親募集サイト「WITH」の画面
ただの募集サイトにとどまらず、どうペットと向き合っていけば良いかのレクチャーも可愛いイラストを交えて紹介。
何とかして、不幸なペットを減らしたいと考えた結果です。
そう思うきっかけを作ってくれたさくらちゃんは、今3歳。
愛され大切にされているせいか、天真爛漫な女の子に成長しました。
くるみさんが帰宅するとダッシュでお出迎え、来客があるとちゃんとご挨拶もするんですって。
可愛い。
夫の理解も深く、くるみさんが目の開いていない猫を拾った際は、一緒にミルクボランティアを探してくれるほど。
くるみさんが目指すところを共に見てくれる大切な存在です。
全ての犬・猫は愛される存在であってほしい。
さくらちゃんのように恵まれた環境の猫は今は少なくても、いつかきっと。
「あの子の命もこの子の命も、みんな同じ命」
くるみさんは、真っ直ぐな瞳でそういいます。
それを多くの人に理解してもらうための挑戦は、始まったばかりです。
彼女の願いが沢山の人に届き、形になりますように。
愛猫のさくらちゃんと笑う力久くるみさん
(まいどなニュース特約・ふじかわ 陽子)
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