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広島土砂災害で・・・

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広島土砂災害:直前「キーン、キーン」愛犬が救ってくれた

2014年09月12日 毎日新聞


知人宅でメイをなでながら行方不明のパトの帰りを待つ佐藤正英さん、裕子さん夫妻
=広島市安佐南区で2014年9月5日、久保玲撮影


行方不明のパト=次女康子さん提供



佐藤さんの自宅跡に立てられた愛犬のパトを探す看板
=広島市安佐南区八木で2014年9月12日午前10時53分、宮武祐希撮影

鳴きやんだ愛犬の様子を見ようと外に出ると、泥水が押し寄せてきた・・・。
広島市北部の土砂災害で、飼い犬の異変に気付いた同市安佐南区八木4の塗装会社役員、佐藤正英さん(65)一家は、土石流が自宅を襲う直前に乗用車で避難した。
家族を救った愛犬2匹のうち1匹は無事に戻ったが、もう1匹は不明のまま。
「何とか逃げていてほしい」。
家族は今も捜し続けている。
佐藤さん宅は4人暮らしで、愛犬はやんちゃだが臆病な「メイ」と、メイの後をついて回るおっとりした「パト」。
雑種の兄弟2匹を家族のようにかわいがっていた。

災害発生前日の8月19日夜、激しい雷雨に、庭の犬小屋のメイが「キーン、キーン」とおびえた声を上げ続けた。
20日午前2時ごろ、急に鳴くのをやめたため、おかしいと思った妻裕子さん(64)が寝室のある2階から1階に下りて玄関の扉を開けたところ、泥水が流れ込んできた。
すぐに1階で寝ていた次女康子さん(38)と孫朔也(さくや)君(3)を起こし、避難の準備をした。
その間にも庭に泥水が押し寄せてきた。
2匹は犬小屋の柵の前で、「出してくれ」と訴えるように囲いに飛びかかっていた。
裕子さんは手の震えを必死に抑えながら柵の扉を開けた。
「逃げて」。
一緒に連れて行く余裕はなかった。
一家は乗用車で山裾の道路まで逃げたが押し寄せる泥水で動けなくなり、近くの長男宅に避難した。朝になって自宅に戻ると、自宅は土砂にのまれ、犬小屋も埋もれていた。
20日夕、約500メートル離れたファミリーレストランに犬がいると聞き、駆けつけた。
泥まみれのメイがぐったりとしていた。
爪は擦り減り、汚れがひどく、何度も洗ったり拭いたりした。
「泥水に流されたからでは」と裕子さんは考えた。
パトの行方は分からないままだ。
大阪市に住む長女史子(ふみこ)さん(40)がツイッターで呼びかけたり、家族で写真入りのチラシを配ったりして捜している。
広島市動物管理センターによると、土砂災害の被災地で飼い犬に関する情報はこれまでに8件あった。
このうち5件は飼い主の元に戻ったが、被害が大きかった八木地区の3件は行方不明のままという。「逃げた先で誰かに飼われていてくれれば」。
家族はそう願い、パトの帰りを待っている。
【加藤小夜】


広島土砂災害:被災4カ月…「3人と1匹」家族の新生活

2014年12月20日 毎日新聞


避難所近くの公園で愛犬のランボーを雪で遊ばせる羽原勉さん(右)と妻エルシさん
=広島市安佐南区で2014年12月18日、大西岳彦撮影

広島市北部の土砂災害で、自宅に土砂が押し寄せ、避難所生活を送ってきたフィリピン出身の主婦、羽原エルシさん(52)がようやく新しい住居を見つけ、避難所を出ることになった。
災害発生から20日で4カ月。
避難所に残るのは羽原さんと会社員の夫勉さん(57)だけになった。
土砂への恐怖、言葉の壁、将来への焦りと向き合った長い4カ月が終わり、年内にも新生活が始まる。
8月20日未明、安佐南区八木の集合住宅で、愛犬のラブラドルレトリバー、ランボーが何度も羽原さんの体を押した。
異変に気付き、ドアを開けた瞬間、土砂が押し寄せてきた。
当時、勉さんは腎不全と歩行が困難になる神経障害で入院中。
朝を待ってフィリピン生まれの次男(28)、ランボーと共に避難所へ向かった。
すぐに壁にぶつかった。
日本語の読み書きができず、次男は仕事で日中いない。Z
被災に関する手続きや、入居情報など張り紙の内容がなかなか理解できなかった。
行政が無償で貸し出す公営住宅にはペット可の物件が少なく、勉さんの病気を考えると段差のある家にも暮らせない。
10月にパートの仕事をやめて家探しに専念した。
しかし、フィリピン人というだけで取り合わない不動産業者も多く、「このまま家が見つからないかもしれない」と落ち込んだ。
11月末に勉さんが退院。
「ずっと避難所を開けてもらうのも申し訳ない。車で生活しようかな」。
「最後の避難者」となり、罪悪感と焦りから弱音を口にした。
フィリピンでは災害時に避難所が設置されても短期間で閉められる。
その印象から不安が募った。
しかし、12月中旬になって安佐南区のアパートへの入居が決まった。
家賃は以前の倍だが、いつも励ましてくれたランボーも一緒だ。
「3人と1匹で再出発できることが、涙が出るほどうれしい」。
羽原さんは年明けと同時に一歩を踏み出そうとしている。
【石川将来】


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