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飼い主に代わって犬が参拝の旅をしていた「こんぴら狗(いぬ)」

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飼い主に代わって犬が参拝の旅をしていた?!
 江戸時代にいた「こんぴら狗」がTwitterで話題に

2021年7月2日(金) 

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時代が変わっても引き継がれるものもあれば、そうでないものもありますよね。
今回ご紹介するのは、現代ではちょっと考えられない存在。
江戸時代に飼い主に代わって金毘羅大権現まで参拝に行っていたという「こんぴら狗(いぬ)」についてです。

飼い主に代わって参拝へ

Twitterユーザーのさゆり/sayuri(@chiyochiyo_syr)さんが、こんぴら狗の特徴をまとめてイラストに描いたものをご覧ください。


出典:Twitter(@chiyochiyo_syr)

飼い主に代わって、讃岐の金毘羅大権現(現在の香川・金刀比羅宮)へ参拝に行っていたというこんぴら狗。
首には「飼い主の情報・エサ代・初穂料(おさいせん)」が入った袋を付けていて、道中では本来は縁もゆかりもないはずの旅人に世話をしてもらいながら目的地である金毘羅大権現へと旅をしていたのだとか。
ひとりで参拝に行くなんて、こんぴら狗の賢さに驚かされますよね。
しかし、それも見守りサポートしてくれる周囲の人たちの温かい人情があったから出来たこと。
こんぴら狗の存在は、当時の人たちの心の豊かさの象徴かもしれませんね。

お伊勢参りをした「おかげ犬」
さゆり/sayuriさんのイラストを見た人からは、「私も犬は好きですが、道中に見ず知らずの人がお世話をしてくれるって知ってびっくりです。とても素敵な事象を知れました」 「不自由な分、粋な心を持った人が多くいたのでしょう」といったコメントが寄せられています。
また、「お伊勢さんだけじゃなかったんだ参拝犬」 「『犬のお伊勢参り』は知ってましたが、金比羅さんでもあったんですね!」などという声も。
江戸時代に、同じように飼い主に代わってお伊勢参りをした代参犬「おかげ犬」がいたといいます。
現代では考えられませんが、当時は旅する犬がいたんですね。

こんぴら狗 (くもんの児童文学) 単行本 – 2017/12/13
今井 恭子(著)、いぬんこ

犬が一匹で、江戸から讃岐の金毘羅さんまでお参りに!?
江戸時代、伊勢参りや金毘羅参りは庶民の憧れ。
でも自分はなかなか旅には出られないから、代わりに飼っている犬にお参りに行かせる。
そんな、今では信じられないユニークな風習がありました。
中でも讃岐の金毘羅まで、代理でお参りにいく犬のことを「こんぴら狗」といいます。
本作はその「こんぴら狗」を題材に描かれました。
主人公は雑種犬のムツキ。
捨てられ、弱りはてていたところを拾ってくれたのが、飼い主の弥生。
でも、今度は弥生が病気でふせってしまいます。
弥生の治癒祈願のため、ムツキは「こんぴら狗」として、江戸から金毘羅参りに向かうことになります。
まずは京都まで、ムツキをかわいがってくれている瀬戸物問屋のご隠居と一緒に向かいますが…。
波乱に満ちたムツキの旅と、道中での出会いと別れ。
ムツキの旅を応援し、ムツキの金毘羅参りにささやかな祈りを託す人々の温かさを描き出します。
装画・挿絵は、レトロポップな画風で知られるいぬんこさん。
江戸時代の庶民たちを生き生きと描きます。
3年にわたる取材を経て書きあげられた、こだわりの本格歴史犬小説をぜひお楽しみください。

作:今井 恭子
画:いぬんこ
出版社:くもん出版
税込価格:¥1,650

ベストレビュー(みんなの声から)
病気平癒祈願の道中記が犬の目線で描かれています。
私が一番共感を持って読めたのは、目の見えない子どもと母親の道中でした。
ちょうど、愛知の佐屋(愛西市)、有松(名古屋市緑区)万場(中川区)などが出てきて土地勘もあるだけに情景が目に浮かぶように臨場感を持って楽しめました。
睦月の旅を江戸時代の地図を使ってたどってみても楽しそうです。
長い距離なので、当然楽しいだけではありません。
助けてくれる人、そうではない人、人々の生活の機微が伺えました。
3年をかけたという労作です。
夏休みに江戸の情緒に浸ってみるのもよさそうです。
(はなびやさん 50代・ママ 男の子16歳)


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