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ザギトワが愛犬マサルの故郷・秋田を来訪

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ザギトワが愛犬マサルの故郷・秋田を来訪、
 1人と1匹の唯一無二の友情が泣ける

2021年6月17日(木) 現代ビジネス

2018年に行われた平昌五輪の女子フィギュアスケートで金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワ選手(ロシア)が、およそ約1年半ぶりに来日を果たした。
今回は、本人役での特別出演が実現した映画「ハチとパルマの物語」(28日より公開中)の公開に合わせたもので、5月23日には、愛犬・マサルの生まれ故郷でもある秋田県大館市で行われた先行上映会に登壇。
自動車に乗り10時間を要した長旅の疲れも心配されたザギトワだったが、冒頭で「みなさんこんにちは。私はアリーナ・ザギトワです。元気ですか?」と、流暢な日本語で挨拶すると、およそ500人が集まったという場内を盛り上げた。
(※万全な防疫措置を実施)


photo by gettyimages

「大切なものが見つけられる感動作」と太鼓判
今回、ザギトワと愛犬マサルの出演が実現した映画「ハチとパルマの物語」(5月28日全国ロードショー)は、1970年代のモスクワ・ヴヌーコヴォ国際空港で、2年間に渡って飼い主を待ち続けたという忠犬パルマと、秋田犬でもある日本のハチ公のエピソードを交えた感動作。
日露共同で製作された今作には、ロシアを代表する名俳優のアレクサンドル・ドモガロフや、渡辺裕之、藤田朋子、壇蜜などが出演を果たしている。
「この映画の中には、社会、または人間の在り方に関わる話がたくさんあり、私の心に触れた場面もとても多かった。感動して泣いてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。愛と友情によって、私たちはさまざまなことが実現可能になる。自分にとって『大切なことは何か』を見つけることができるのではないかと思います」と、マサルと歩んできた自身の経験を交えながら初出演作品への想いを口にしたザギトワは、「本当に素晴らしい映画なので、楽しんでください」という言葉で、この日の舞台挨拶を締めくくった。

「窓を覗いて私の帰りを待っている」

ザギトワ公式インスタグラムより

5月13日には、久しぶりにマサルとの2ショットを自身のInstagramに投稿したザギトワ。
秋田犬保存会から贈られた愛犬は、今年の2月に3歳の誕生日を迎え、かつてとは比べ物にならないほどの大型犬に成長した。
この日の舞台挨拶では、今回は残念ながら帰郷が叶わなかった、愛犬のマサルについても話題が及んだ。
「マサルは元気です。『皆さんに宜しく』と言っていました」とマサルの想いを代弁したザギトワは、「仕事の関係で出張も多く、(自宅を)不在にしている時もあります」と自身の近況に触れつつも、「私が留守にしている時には、家族から写真が届けられることも多いのですが、マサルは窓を覗いて、私の帰りを待っているようです。その姿を見ると、私も非常に淋しい。(マサルに)早く会いたいなという気持ちになりますね」と、今では大型犬に成長したマサルとの心温まるエピソードも披露した。
舞台挨拶を終えたザギトワは、「ハチとパルマの物語」のロケ地としても使われたという観光施設の秋田犬の里を訪問。
ここではマサルと同じ親から同日に生まれたという“きょうだい犬”にあたる、オスの勝大(しょうだい)との初対面も果たした。
今月26日には、「秋田犬の里」での3年間の活動を終えるという勝大について、「マサルにそっくりですが、毛が綺麗で強そうに見える」と印象を語ったザギトワ。
「コロナ禍」の影響により、残念ながらガラス越しでの面会となったが、「本当に可愛い」と、満面の笑顔を覗かせた。
イベントを終えたのち、自身のInstagramに「今日は光栄なことに「パルマ」の試写会の機会に、大館市、秋田県に居ました。試写会にいらした日本の皆さんと会場に居れて、とても楽しく、ワクワクしました。この美しい物語では、人と犬の絆のストーリーを通じて、愛、友情、様々なトライアル、挑戦が語られているのですが、今だからこそ、大切なメッセージと思います。コロナ禍で大変な時期で、このような友情とサポートは人々の間でも、国々の間でも必要です。今回、このイベントに関係した多くの皆さんに感謝しています」(原文まま)と、日本語で感謝のメッセージを綴ったザギトワ。
さまざまな不自由を強いられるなかでも、温かな人々との出会いに満ちた時間を過ごしたようだ。

「平穏な世界」への想いを込めたスケーティングを披露

(c)株式会社KDDI

その後、日露の友好や平穏な世界を取り戻すことを祈念したという特別フィギュアスケートプログラムを披露したザギトワは、「ハチとパルマの物語」の主題歌を担当した堂珍嘉邦さん(CHEMISTRY)、プログラムの振り付けを担当した薄田隆哉さんと共に記者会見に臨んだ。
「日本から送られてくるビデオの映像だけでプログラムを作り上げたことが大変でした」とコロナ禍ならではの苦労に触れつつも、「自分の気持ちや考えを含めて演技ができました。いつも新しいプログラムを考えていますので、みなさんの心に伝えられるように頑張りたい。綺麗なスケーティングを見せたいと思います」と、ザギトワは演技への意欲を見せる。
「演技がロシアと日本の友好に繋がれば嬉しい」というザギトワの想いが籠められたプログラムは、「au5G × Figure Skating」(株式会社KDDI)にて近日中に配信される予定だという。
ドローンや最新機材を駆使して撮影され、4つのアングルから視聴できるような工夫が凝らされているという今作で、ザギトワが久しぶりに見せる演技にも期待が高まる。
平昌五輪での金メダル獲得からおよそ3年。
「平昌オリンピック(2018年)を終えてから、私の人生は大きく変わり、さまざまな国を訪問し、さまざまな人と会うことになりました」(23日)と自身も語るように、目まぐるしい日々を過ごしてきた。
日本に滞在中の5月18日には、19歳の誕生日を迎えたザギトワ。
コロナ禍の影響による隔離期間という不自由を強いられる中で迎えた記念日だったが、「外に出ることもできず、でも私を取り囲んでくださる皆さんが、私の誕生日が忘れられないものになるよう祝ってくださって、とても楽しい誕生日を迎えることができました」(25日)と感謝の想いを語った。
2019年12月に競技活動を休止した後は、日本では大学に相当するロシアの高等教育機関、「国家経済公共行政アカデミー」でのジャーナリズムの勉強に励む傍ら、意欲的な活動を続けているザギトワ。
マサルと共に歩むこれからにも注目していきたい。

【写真】ザギトワと愛犬マサル、可愛すぎる…!

白鳥 純一(ライター)

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