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文房具店のネコ店長

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ネコ店長のシマ子 愛嬌ふりまく人気者 長野県小諸市の文房具店

産経新聞 地方長野

「ニャンでも取りそろえてあるので、来てニャン」-。
長野県小諸市の文房具店「万年堂」で“店長”を務める雌の雑種「シマ子」(8歳)が、来店するお客さんらの足下に顔をスリスリするなどの愛嬌(あいきょう)をふりまき、人気を博している。


「いらっしゃい。何をお求めですか」と、お客さんにたずねるようなしぐさをみせるシマ子=長野県小諸市の文房具店「万年堂」(松本浩史撮影)

会員制交流サイト(SNS)のツイッターに登場し、新商品のPRなどにも余念がない。
生後間もなくのころに拾われてきたといい、「ネコの恩返し」を地で行く殊勝な気持ちの持ち主である。
(松本浩史)

◆人懐っこい性格
シマ子が拾われてきたのは、平成23年9月。同社の男性社員が勤務中に市内で車を走らせていたところ、道路の真ん中でフラフラと歩いていた子ネコを目にした。
このままでは命にかかわる-。
社員は、拾い上げて会社に連れ帰った。
当時の様子を知る同社の才川祥子(さちこ)さんの話だと、まだ目やにが多くできている状態で、体長は20センチくらい。
生まれて間もないころのようだった。
ミルクを与えても受け付けず、2回にわたり、市内の動物病院に約1週間ずつ入院させるなどの手を尽くした。
そのかいあって、ようやく体力が回復したという。
今では、店舗1階のレジカウンターがシマ子の定席。
人懐っこく、頭や背中をなでられても意に介さず、人間のしたいようにさせているという。
ニャーニャーと自ら鳴いてお客さんらに擦り寄る甘え上手でもある。
命名の由来は、キジトラのしま模様なので、そのまま名前につけてシマ子となった。

◆届いたファンレター
才川さんは、シマ子の“マネジャー”を自任し、28年2月からはシマ子の様子を撮影し新商品の紹介や祭りなど市の話題を絡ませて、毎日1~2本、ツイッターに投稿している。
新型コロナウイルス対応にともなう閉塞(へいそく)感が続く中、今月1日の投稿には、神戸市に在住する人からシマ子宛にファンレターが届いたと書き込んだ。
レターの文面にはこうあった。
「シマ子店長の愛らしさに目を奪われてしまいました?」
「気軽に買いものができるようになったら 店長おススメを探しに行くのを楽しみにしています」
「いつの日かシマ子店長に会いに 文房具を爆買いしに伺いますね」
シマ子がファンレターをもらうのは初めてとのこと。マネジャーの才川さんはツイッターに「嬉(うれ)しいニャン」と書き込んだ。


文房具店「万年堂」のシマ子=長野県小諸市(松本浩史撮影)

◆「やっと会えた」
これまで、ツイッターを見て、東京都内から足を運んできたお客さんもいた。
「意外にちっちゃいね」「やっと会えた」…。
口にする感想はそれぞれ異なった。
シマ子の好きなキャットフードの焼かつおをプレゼントしてくれた人も。
もちろん、シマ子が店長を務めていると知らないで来店する向きもある。
多くはネコがいることに少し驚き、才川さんらが「店長です」と紹介すると、今度は大いに驚くそうだ。
地元の小学生ら子供にも人気で、ネズミに見立てた小道具でよく一緒に遊んでいる。
お客さんの中には、ネコがあしらわれた便箋やペンケースなどを購入するケースも。
才川さんは「シマ子が営業に協力してくれています」と話す。
シマ子がレジカウンターにたまたまいなくても、店舗内で暮らしているので、来店すればきっと会える。
そのときシマ子は、愛想よく迎え入れてくれるだろう。
なにせ恩義を重んじる“男前”な淑女なのである。


どれにしようか迷っているお客さんに「そろそろ決めませんか」と言いたげな表情をみせるシマ子=長野県小諸市の文房具店「万年堂」(松本浩史撮影)

 

猫店長もマスク 小諸の文具店

読売新聞 地方版

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、マスクを着用して感染予防を伝える小諸市の猫が、地域の話題になっている。
同市相生町の文具店「万年堂」で“店長”を務めるメスの「シマ子」で、手ぬぐいで作ったマスクを着けて店頭に立っている。
手ぬぐいは昨年の夏祭りで配布されたもので、店で経理を務める女性の知人がマスクに仕立てた。


手ぬぐいのマスクを付けるシマ子(小諸市相生町で)

道ばたに捨てられていたシマ子を社員が保護し、店で飼い始めたのは2011年。
買い物客らに愛きょうを振りまくシマ子は瞬く間に人気となり、18年には店長に就任した。
感染者が増加する中、シマ子に協力してもらったといい、女性は「感染が収束したら一緒に遊ぼうね」とシマ子の気持ちを代弁していた。



【関連記事】

毎度あり! またきてニャ 商店街のネコ店長 単行本

梅津 有希子 (著)
文藝春秋

大人気のネコフォトブック『吾輩は看板猫である』、第2弾の『吾輩は看板猫である 東京下町篇』の著者、梅津有希子さんが、看板猫を探して、商店街を巡ります。
 看板猫はどこにでもいそうに思えますが、実はいまや希少な存在。
シャッター商店街が増え、かろうじて活気を保っている商店街でもテナントショップへと商売替えをする店が続出し、“店に住む”ことができなくなりつつあるからです。
昔ながらの風情を残す自営の店か、オーナーがよっぽどの猫好きか。
そんな希少な猫を求めて訪ねたのは、阿佐ケ谷、幡ヶ谷、永福町、桜新町に豪徳寺、猫のメッカである谷中・根津、問屋が連なる蔵前や代田橋にある沖縄タウン、恵比寿、新大久保などの商業地、さらには築地に横浜中華街まで、実にさまざま。
「看板猫がいるらしい」との情報を頼りに初めて降り立った地も多くあります。
 猫待ちをしながら街をぶらぶらし、おいしそうなお惣菜があれば買い求め、初めての道を右に左に覗きつつ進む。
 知らない街を訪れるのは意外な面白さに満ちていて、そのうえ猫を愛でて心もほっこり。
初めての味との出会いというおまけ付き。
晩ごはんのおかずを買って帰るもよし、散策しながら揚げたてのコロッケをほおばるもよし。
気がつけば、足取りも軽く、自然と笑顔になっているはず。
猫好きが思わず駆けつけたくなる猫カットを中心に、街歩きへと誘います。


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