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高齢者施設で「アニマルセラピー」

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高齢者施設で「アニマルセラピー」

2014年11月29日(土) 中日新聞


セラピードッグと触れ合うお年寄り=名古屋市熱田区の介護老人保健施設かなやまで

動物との触れ合いの場を取り入れる高齢者施設が増えている。
心を癒やし、不安などの感情を和らげる効果が期待されている。
「本当にかわいいね」。
九月下旬、名古屋市熱田区の介護老人保健施設「かなやま」。
入所している百歳の女性が、膝の上に乗せた犬のペキニーズ「ぷぷちゃん」の頭をやさしくなでた。
連れてきたのは、アニマルセラピーを行うNPO法人「アニマルファンフェアわんとほーむ」(愛知県蟹江町)。施設側が月三回訪問を依頼し、入所者が犬と交流する機会を設けている。
この日は、約二十人の入所者が犬二頭と触れ合った。
「犬は元気でいいわ」「以前、家で飼っていた」。
犬を前にして話が弾む。
普段、自室に引きこもっていたり、厳しい表情であまり言葉を発しない人も、犬が擦り寄ってくるとふわっと表情が和らぐ。
「私たち職員がどう関わっても見せないようなうれしそうな表情を、犬と接していると見せてくれるんです」。
介護支援専門員の村上雅世さん(49)は話す。
ある女性は、脳血管疾患の後遺症で不自由な手を懸命に動かし、犬をなでた。
「しっかり手を動かして触ってみてください」とNPO代表の向宇希(むかいひろき)さん(33)が声を掛けた。言葉が出にくい人には「話し掛けてみてくださいね」、認知症の症状が出ている人には「この子の名前、何でしたっけ?」と問いかけるなど、高齢者一人一人に合わせて目標を立てている。NPOの訪問先は、東海三県の小児病棟や高齢者施設など。
行き先ごとに目的が異なっており、小児病棟は子どもを楽しませることが目的。
高齢者施設の活動は、犬との触れ合いを楽しみながら自発的な行動を促すリハビリの一環という位置付けだ。
向さんらは、県内の別の老健に入所している高齢者十一人を対象に、犬との触れ合いによる効果を検証した。
「活気」「不安」など気分を示す六つの尺度のうち、「活気」は上がり、「疲労」「混乱」「不安」といったマイナス感情を示す指標は下がった。
犬嫌いの対象者も、犬好きの対象者と同じような傾向だった。
アニマルセラピーを推進している公益社団法人日本動物病院協会(東京)によると、昨年度、高齢者施設や病院などに同協会が犬などの動物を伴い訪問した回数は千二百三十二回と、十年前に比べ75%増加した。
協会の吉田尚子理事によると、首都圏では訪問依頼が多すぎて対応しきれないケースがある。(佐橋大)


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