捨て猫や野良猫救いたい…女子高生7人「おたすけ隊」結成
飼い主探しや去勢手術実施
2020年8月31日(月) 京都新聞
飼い主が飼いきれなくなった猫や野良猫を救おうと、滋賀県草津市などの女子高校生7人がボランティア団体「にゃんこおたすけ隊」を立ち上げた。
これまでに約30匹を引き取り、新たな飼い主探しを展開。野良猫約90匹に去勢手術を実施した。
メンバーは「物のように扱われる不幸な命を減らしたい」と意気込む。
譲渡会を訪ねた人に、猫の説明をする「にゃんこおたすけ隊」のメンバー(左)=滋賀県草津市野路4丁目
おたすけ隊は、国際情報高2年の鎌田優花さん(17)=草津市=が友人と1月に結成。
鎌田さんは2年前に駐車場に捨てられた猫を拾ったのをきっかけに、保護活動に関心を持った。
当初は他団体の活動を手伝っていたが、「活動範囲を広げたい」と同隊を設立し、県動物愛護推進員や県動物保護管理センターのアドバイスを受けながら活動を続けている。
新たな飼い主探しでは、去勢手術を怠ったため子猫が大量に繁殖した草津市や栗東市の家庭を訪れて猫を引き取った。
病気予防のワクチン接種などをした上で、市内のペットサロンで開く譲渡会や会員制交流サイト(SNS)で飼い主を探している。
また、野良猫を一時的に捕獲し去勢手術を施して元の場所に放す活動もしている。
このほか他団体が野洲市内の商業施設で月1回開く犬猫の譲渡会の手伝いもしている。
鎌田さんは「猫の飼い主は完全室内飼いや去勢手術実施などの知識を身に付け、常識的な飼い方を皆が守ってほしい」と訴える。
次回の譲渡会は9月22日。
問い合わせは同隊メールchachaneko43@icloud.com
■猫の殺処分、犬の4倍超
滋賀県県動物保護管理センター(湖南市)によると、2018年度に引き取った猫613匹のうち、譲渡や返還ができず殺処分したのは453匹で、犬の殺処分数(102匹)の4倍以上だった。
08年度の殺処分数(猫1917匹、犬937匹)に比べ、犬は約90%減ったが、猫は約75%減少にとどまる。
野良猫を持ち込む地域住民が多いという。
犬の放し飼いを禁止する県条例や飼い主のマナー向上もあり、野良犬は県内で激減した。
しかし猫には規制がなく、飼わないのに屋外で餌をやる人もおり、「ここ10年ほど猫関連の苦情・相談が増えた」(担当者)という。
県は18年度から地域で共同管理する「地域猫」の取り組みを始めた。
申請団体へ去勢費用や飼育費を一部補助する。
申請数は徐々に増え、これまで計24件に上る。