ペット殺傷や虐待、罰則厳しく 改正動物愛護法が施行
2020年6月1日(月) 共同通信
ペット殺傷や虐待の罰則引き上げなどを盛り込んだ改正動物愛護法が1日、施行された。
殺傷に対する罰則を「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」から「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に強化。
そのほか、ペットが大量に繁殖し十分に世話ができない「多頭飼育崩壊」の問題も見据え、著しく適正を欠いた密度での飼育も虐待に加えた。
また、みだりに傷つけられた疑いのある動物を診察した獣医師に対し、これまで努力規定だった通報を義務化。
近年、ペットをいじめる様子をインターネット上に投稿する例も確認されており、相次ぐ悪質な虐待事件の早期発見と防止を狙う。
改正法は昨年6月に成立した。生後56日以下の犬と猫の販売を原則禁じる「8週齢規制」や、遺棄を防ぐため、ブリーダーやペットショップといった販売業者に対する犬猫へのマイクロチップの装着義務も定めた。
8週齢規制は2021年6月までに、マイクロチップの装着義務化は22年6月までにそれぞれ施行となる。
「多頭飼育崩壊」した家から保護された猫たち。環境が整った清潔な部屋で暮らしながら、新しい飼い主を待っている=仙台市
新・動物愛護法とは?
改正受け今年6月から段階的に施行
2020年4月28日(火) REANIMAL
昨年6月に「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年6月19日法律第39号)」が成立・公布された。
いわゆる動物愛護管理法(以下、愛護法)の改正だ。今年(2020年)6月から段階的に施行されることになっている。
◆概要
俗に言う動物愛護法は、昭和48年(1973年)に「動物の保護及び管理に関する法律」として制定され、平成11年(1999年)に現在の「動物の愛護及び管理に関する法律」に名称変更された。
いわゆる動物の愛護に加え、適切な管理を求めることで、社会・他者に危害を及ぼすことも防止しようとする法律である。
対象となるのはペット以外にも、動物園などで飼育される展示動物、畜産動物や実験動物なども含まれる。
国や自治体だけでなく、畜産業者やペットの飼い主などに責任ある飼養(飼育)などの義務を定める一方、都道府県には権限も与えている。
動物の健康と安全を確保し、周辺環境に問題が生じることを防止するために、繁殖業者など動物取扱業登録の審査、施設への立ち入り検査や改善勧告、登録の取り消し、業務停止の命令などを、知事名で行うことができる。
これまでに、平成11年、17年と24年に大きく改正されている。
動物取扱業者の適正化につながる修正や、虐待や遺棄に関する定義の改訂、実験動物に対する配慮の追加、終生飼養(つまり、最後まできちんと面倒を見ること)の明文化などが行われている。
4回目となった昨年の改正では、販売前の子犬と子猫への個体識別用マイクロチップ装着の義務化(2022年施行)が決められた。
また、出生後56日(8週)を経過しない犬又は猫の販売等を制限するといった8週齢規制のほか、動物虐待に対する厳罰化などは評価されている。
◆罰則規定
その罰則については、第44条で「愛護動物( *1)」に関する定めがある。
一番重いものは、それまで「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」とされていたものが、「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」に改められた。
これは、「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者」に科せられる。
また、これまで100万円以下の罰金刑のみであった虐待や遺棄については、懲役刑の可能性が追加され、「100万円以下の罰金又は1年以下の懲役」と、こちらも厳罰化された。
虐待の定義については、「その身体に外傷が生じるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせる」、いわゆる傷害行為が最初に言及されている。そのほかにも、食事や水を与えない、酷使や不当な拘束で衰弱させる、ケガや病気を放置する、排泄物が堆積するなどの劣悪な環境で飼育する、といった内容も含まれている。
その他、無許可で繁殖業を営んだり、業務の改善や停止命令に従わなかったりした場合などに対し、50万円から20万円以下の罰金・過料が科せられている。
もちろん、まだまだ不充分だという声も多いが、少なくとも一歩前進した事実は評価できると考える。
「愛護動物( *1)」
牛、馬、豚、羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ(家ウサギ)、鶏、いえばと(家鳩)、あひる、および他人が占有している哺乳類、鳥類、は虫類
《石川徹》
東京都からの放物愛護法改正に関するチラシがネット上に出ていましたので掲示します。
解りやすいので利用されたら良いのではと思います。
(byぬくもり)