新型コロナ感染の犬が死ぬ 香港、隔離中も発症はせず
2020年3月18日(水) 朝日新聞
香港で6日、犬を連れて散歩するマスク姿の男性=AP
新型コロナウイルスの感染が確認された香港の犬が16日に死んだ。
犬はいったん香港政府の施設で隔離されたが、陰性になったため、死ぬ2日前に飼い主に戻されたばかりだったという。
香港メディアが18日までに政府の情報として報じた。
感染者の犬から新型コロナ たまたま付着?「問題ない」
犬は17歳のポメラニアン。
飼い主は60歳の女性で、2月に女性の感染が判明した。
犬からもウイルスの弱陽性反応が検出されたため、香港政府が詳しく調べた結果、犬の体の一部にウイルスが付着したのではなく、低レベルの感染と確認された。
香港政府はヒトから伝染した可能性があるとしている。
犬は政府施設で隔離中も発症はせず、今月14日に飼い主に戻された。
飼い主側は犬の病理解剖を断ったとしている。
香港政府は「ペットがウイルスを媒介するというデータはない」と指摘したうえで、飼い主に対し、ペットが感染を広めるといった過剰な不安を抱かないよう呼びかけている。
(香港=益満雄一郎)
飼い主さんに向けて(新型コロナウイルスQ&A)
2020年3月17日(火) 東京都獣医師会
東京都獣医師会からのお知らせ(新型コロナウイルスについて)
公益社団法人東京都獣医師会から新型コロナウイルスに関して、Q&A形式でお伝えいたします。
以下、3月16日の最新情報を転載いたします。
飼い主のみなさまへ
公益社団法人東京都獣医師会 危機管理室感染症セクション
Q1.新型コロナウイルスはペット(犬や猫)にうつりますか?
A.飼い主さんにとっては心配なことですね。 OIE(世界獣疫事務局)によると、香港当局は新型コロナウイルスに感染した方が飼育している犬か ら、このウイルスの弱い陽性反応が見られたと報告しました。 続いて、2020 年3月 12 日に発表された報告によると、この犬の弱陽性反応は、その後、陰性と なったようです。 この犬はその間、何も症状を出していませんでした。 また、最初の血液検査では、感染を示すコロナウイルスに対する抗体価の上昇は認められませんでし た。今後も検査を繰り返すそうですから、最終の結果を待つべきでしょう。 現時点では、新型コロナウイルス感染症はヒトからヒトへ感染する病気であり、万が一、ヒトからペ ットに感染した(ペットからウイルスが検出された)としても、さらにペットがヒトに病気をうつす ことはないだろうと考えています。 本会としては引きつづき、飼い主の方が新型コロナウイルスに感染しないことがペットを守るため にも大事であり、冷静な対応をお願いします。
Q2.犬や猫にも「コロナウイルス感染症」があると聞いたことがありますが、 それは人にうつりますか?
A.犬や猫にも固有のコロナウイルス感染症があります。 しかしコロナウイルスは「種特異性」※が高いため、これまで犬猫で報告されている「コロナウイル ス感染症」が、ヒトを含めた他の種の動物に感染したという報告はありません。 犬の場合は軽い下痢症状、猫の場合は伝染性腹膜炎を起こしますが、どちらもまれな病気です。 犬のコロナウイルス感染症が猫にうつったり、あるいは猫のコロナウイルス感染症が犬にうつった りするのは一般的ではありません。 ※「種特異性」とは 形態あるいは機能のうえで、ある種は共通にもっているが、他の種には認められない特色。
Q3.私は新型コロナウイルスに感染しました。ペット(犬猫)とどう接すればいいですか?
A.あなたが入院される場合は、ご家族など、他にペットの世話をしてくださる方がいらっしゃるようで したら、その方にお世話をお願いしてください。
自宅で療養される場合にはペット自身の身体にウイルスが付着しないようにするために、療養中の 部屋にペットを出入りさせないようにしてください。
また、汚染したマスクやリネン類にペットが接触しないように注意してください。 ご自宅で世話することができないようでしたら、信頼できる方になるべく早くお預けする方が良い と考えます。
ご家族が自宅でお世話する場合も、どなたかに預ける場合も、ペットの体表などを介して感染伝播 させないため、ペットはシャンプーすることが望ましいと考えます。
シャンプーをする場合は、できるだけお湯が出る勢いを弱くして、毛に当たったお湯がご自身を含 む周りに飛び散らないよう工夫するといいでしょう。 いつもよりていねいにお湯で流したあと、シャンプーをしてください。 シャンプー後、ペットを拭いたタオルは一般的な家庭用洗剤で洗濯してください。
世話する方にペットをお渡しする際には、キャリーバッグや首輪、リードなどは、0.05%に薄めた 家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きしてください。 洗濯や消毒などの注意は以下をご参考下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601721.pdf
ペットとの別れが辛いからといっても我慢して、抱きしめたりしないよう注意してくださいね。
他にお世話をしてくださる方がいらっしゃらず、ご自身が無症状・軽症である場合には、ご自身でお 世話して頂きたいですが、ご自身及びペットが他の方の感染源とならないような注意が必要です。
Q4.飼っているペットが新型コロナウイルスに感染したのではないかと心配です。 どうすればいいですか?
A.ペットからペットへ新型コロナウイルスが感染したという報告はありません。ご自身が感染者でない 限り、ペットへの感染を心配する必要性は少ないと考えられます。 もし、ペットへの感染が心配であるなら、人混みに連れて行かないようにし、できるだけ感染のリス クを減らすよう注意して生活します。 新型コロナウイルスに感染していた人とペットが濃厚に接触したことが分かっていて、その後ペッ トの体調が悪くなった、という場合には、かかりつけの動物病院に電話をしてください。 ペットを動物病院に連れていく前には必ず事前に連絡を入れてください。
参考文献:OIE Questions and Answers on the 2019 Coronavirus Disease (COVID-19)
https://www.oie.int/en/scientific-expertise/specific-information-and
recommendations/questions-and-answers-on-2019novel-coronavirus/
この記事は 2020 年 3 月 12 日時点の情報に基づいて作成しています。
今後、新しく得られた情報により、内容が更新されることがありますので、あらかじめご了承ください。
また、個別具体的な事象への判断を行うものではございません。