ペットブリーダーの「経費明細」1頭の譲渡までに7万円超も
2020年3月10日(火) FLASH
キャットショーで入賞を目指すメインクーンを抱く阪根さん
近年の犬ネコ人気の影響で、ときに数十万円の値がつくペット。
では、ブリーダーから直接買えば安くなるのだろうか。
本誌の疑問に答えてくれたペットジャーナリストの阪根美果さんは、世界最大種のネコ「メインクーン」のブリーダーでもある。
「私の場合は、子ネコを23万~25万円で譲渡していますが、1頭あたりの単純経費は7万円以上。ほかに人件費、光熱費、医療費などが必要です。一生懸命やればやるほど、ブリーダーは儲かりません(笑)」
血が濃くならないように、親ネコを海外で入手することも。
「ロシア出張では交通費や運送費、検疫などで総額60万円の経費がかかりました。勉強のためにキャットショーや勉強会にも参加していますので、その経費も大変。地方開催だと、移動の交通費やホテル代がかなりの額になりますね。飼育環境を考え、最新の空気清浄機や加湿器、ウェブカメラも設置しています」
なかには利益ばかりを追求する、悪質なブリーダーもいる。
見分け方はあるのだろうか。
「ブリーダーは、事前に個体の特性や状態を対面で説明する義務があります。その際、
(1)性格、育て方、病気について、十分な説明があるか
(2)親や飼育環境を見学可能か
(3)親は遺伝病検査済みか
(4)愛情を持ち飼育しているか
以上の4点を確認し、納得してから譲ってもらうことをおすすめします」
ペットショップのセールでは、専門ブリーダーから買うより安くなることもある。
しかし、飼育後のトラブルで困ったとき、アフターケアが貧弱であることも多いのだそうだ。
以下では、阪根さんが明かしてくれた、ブリーダーの「経費明細」を公開する。
●阪根さんが育てる成ネコ12頭の経費(1カ月)
・ドライフード(1万2000円×3袋):3万6000円
・ウエットフード(180円 ×100袋):1万8000円
・サプリメント:2万1000円
・猫砂(660円×20袋):1万3200円
・ペットシーツ(1000円×6袋):6000円
・消臭剤関係(3600円×4袋):1万4400円
・夏季、冬季光熱費:2万円
=合計12万8600円
●子ネコの譲渡までにかかる経費(1頭)
・粉ミルク:2500円
・シリンジ(注射筒):1000円
・ドライフード:5000円
・ウエットフード:3万2400円
・ワクチン接種(2回):7000円
・遺伝子検査:1万3000円
・マイクロチップ装着:3500円
・健康診断:3000円
・血統書:5000円
=合計7万2400円
(週刊FLASH 2020年3月10日号)