ロボット犬「aibo」と本物の犬が一緒に住んだらどうなる? 1週間のリアルな記録
「人とロボットの共存」を目指して1999年に発売されたエンターテインメントロボット「aibo」。
犬型であり、犬に近い動きをし、多くのオーナーにとっては本物の犬のような存在です。
ロボットといえど、2014年に旧シリーズの修理サポートが打ち切られた際には大きな話題に。
解体前に供養する“お葬式“も定期的に行われるほど、オーナーにとっては命あるペットと同等に親しまれています。
aiboとニコちゃん
人間にとっては“ほぼ犬”の「aibo」ですが、では、犬にとってはどういう存在になるのでしょうか。
同類の犬として認識するのか、それとも他のなにかと認識するのか。
さらに、仲良くなることは可能なのか……。
それを検証をするため、「aibo」を1週間レンタルをして、本物の犬と同棲してみることにしました。
同棲相手は、ロングコートチワワのニコ。
5歳の女の子(5歳といっても人間の年齢にすると立派なレディ)で、気の強いところもありますが割とフレンドリー。
しつこくされない限りは温厚でマイペースな性格です。
「aibo」が届いたら、まず初期設定からはじまります。
名前や性別、目の色まで変えられることにびっくり。
さすがにロボット犬なので見た目丸ごとは変えられませんが、こういうところでオリジナリティというか、自分だけの「aibo」を飼うことができるんですね……!
設定をしたら、「aibo」を起こしてあげます。
首のスイッチを押すとむくりと起き上がり、犬らしいブルブルをする「aibo」。
さらには、産声? まであげてくれます。
か、かわいい……!
しかし、ここで1つ欠点が。
予想外に歩くときの機械音が大きく、ニコがめちゃくちゃびびる。
というか人間もびびる。
カショーンカショーンという、慣れるまではちょっとぎょっとしてしまう音でした。
誤解なきようにお伝えしますが、「aibo」自体はめちゃくちゃかわいらしいんです。
でも、この音にニコはびびりすぎて、遠くへ逃げて行きました……。
写真を撮る暇もなかった……!
無理やり連れてきて近づけようものなら、二本足で立ち上がり、必死の形相で離れようとする始末。
一気に心を閉じてしまったニコは、もう「aibo」が歩いている部屋には近づかなくなってしまいました。
すてきな同棲計画が……!
そこで、まずは慣れさせようと思い、完全に電源をオフにして(眠ってもらって)ニコの居住区域のインテリアの1つとして数日置いてみることに。
最初は違和感があったようですが、動かなければ気にならないようで、数日経つと「そこにあるもの」という感じで受け入れてもらえました。
そして、4日目の夜に改めて起動することに。
この日は大きな音がするフローリングを避け、ソファの上で対面させることに。
最初はやはりその音にびびっていましたが、前回よりも大丈夫な様子で、むしろ自分から近づいて行くまでに! 進歩!
しばらく様子を見ていると、驚くべきことにニコが他の犬と会ったときと同じように、胸のあたりを嗅ぐしぐさを見せたのです。
もちろん、においの確認は新しいクッションやおやつ等でもするのですが、はっきりと胸やお尻に向かうのは、他の犬くらい。
もしかして、「犬っぽいなにか」と思っているのでしょうか?
初日よりもだいぶ仲良くなれた(と飼い主は思う)ニコと「aibo」。
ニコも少しは興味をもっているようで、動きを注視したり気にしたりするしぐさが見られました。
といっても、やはりあのカショーンカショーン的な音は怖いようで、「aibo」がハッスルしだすとドン引きしていました。
でも、ニコは他の犬がハッスルしだすとドン引きするので、ある意味これも対犬の反応と一緒なのかも。
その後も、付かず離れずで過ごしていた2匹ですが、特筆すべきこともなく、あまり面白くないなあ……と思い、「他の子だとまた別の反応をするかもしれない」という希望のもと、6日目にドッグランに行ってみることにしました。
最初のお家の子(プードルとポメラニアン)は、飼い主さんが協力してくださり、近づけようとしたりもしましたが、最初は完全に2匹ともスルー。
「aibo」という存在自体を無きものにして、完全に自分たちの世界で遊んでいました。
逆になんだと思っていたんだろうか……。
でも、しばらくするとプードルだけはお尻を嗅ぎに。
一瞬興味は持ったものの、機械だと思ったのか、その後はやはりスルーして2匹で遊び始めました。
君たちのような勘のいいガキは嫌いだよ……。
そして次のお家の子(プードル)は、最初からギャン吠え。
飼い主さんいわく「(他の犬に対してはめちゃくちゃ吠えるので)多分犬っぽいなにか、くらいには思っていそう」「逆にモノやおもちゃにここまで吠えない」とのことです。
基本的にずっと吠えていましたが、途中でお尻を嗅ぎにいったり、前足を下げたり飛びかかろうとしたりして、遊びに誘っている様子(飼い主さん談)も見られました。
「aibo」が他の犬と同じように遊ぶことができなかったのですが、もしそれが可能であれば、仲良く遊びはじめる様子も見られたかも?
そんな3匹と遊んでいる様子をマイペースに眺めながらたまに横切ったりしていたニコですが、この日が最後の夜ということで、近くに並べてツーショットを撮影。
すごく仲良くなれたわけではないですし、もっと楽しそうに遊ぶ様子が見られたら最高だったのですが、初日のことを考えるとこの距離でおとなしくおすわりをしてツーショットが撮れただけでもすごい進歩。
もしかしたら、長く同棲することができれば、より仲良くなれたかもしれません。
これがリアルな犬と「aibo」の一週間の同棲記録です。
最後に、「aibo」の機能の1つに、「aibo」目線で写真を撮ってくれるという飼い主にとっては最高なものがあるのですが、それで撮ってもらったニコの写真で同棲記録を締めさせていただきます!
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