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売れ残ったペットの残酷な末路

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ペット生体店頭販売、
「売れ残った」子たちが辿る残酷な末路。「引き取り専門」業者も 

2019年11月21日(木) HARBOR BUJSINESS

市場規模が1兆5000億円を上回る、大規模な日本のペット産業。
基盤となっているのが、子犬や子猫を扱うペットショップだが、その裏には「動物=商品」と見なす、残酷な現実が隠されている。
前回記事では、週に2回、生後間もない子犬や子猫を「新入荷」したペットの生体展示販売店の実態をお伝えしたが、今回は「賞味期限」が切れた犬や猫の末路について衝撃的な現実をリポートする。


日本動物福祉協会がレスキューに入った、引き取り屋の施設。積み上げられたケージのなかの犬猫は皆やせ衰えていた

◆不用となった動物は引き取り屋で「燃えるゴミ」として処分も
“賞味期限”が切れたら処分する。
それが生体展示販売ビジネスの現実だ。
では“不用”になった動物はどうなるのか。
公益社団法人「日本動物福祉協会」の町屋奈(ない)氏によると、近年ペッショップなどで売れ残った犬猫や、繁殖業者が抱える繁殖能力の衰えた動物などを有料で引き取る「引き取り屋」の存在が問題視されているという。 

◆動物愛護法改正で「引き取り屋」がクローズアップ
「以前は、売れ残った犬猫は保健所などの自治体に持ち込まれて処分(多くは殺処分)されるのが主流でした。しかし’13年施行の動物愛護法改正で、自治体は業者からの引き取りを拒否できることになった。その結果、あぶれた動物の処分に困った業者の受け皿として、有料で犬猫を引き取ってくれる引き取り屋がクローズアップされてきたのです」(町屋氏)
動物を有料で引き取ることは違法ではない。
問題にされているのは、引き取った動物への虐待行為が疑われる業者が多いという点だ。
「面倒を見切れなくなって生きたまま山中に遺棄するという事例もあります。これはれっきとした虐待ですが、日本人には『生きている動物を野に放つならいいじゃないか』という発想があるようで、事件化しにくい」同)
店の裏で放置されたまま死を待つのか、暗躍する引き取り屋の虐待的環境のもとで飼い殺しにされるのか。
いずれにしても、行き場を失った動物たちを待ち受ける未来は、あまりにも過酷だ。

◆残酷な最期
ペットショップの裏側では、劣悪な環境でモノ同然に扱われ続けた犬猫が病気で命を落とすことも珍しくない。
都内にあるホームセンター内のペットショップに勤めていたAさんの店で亡くなった犬猫の驚くべき扱われ方の実態を証言した。
「犬や猫が亡くなっても裏にただ放置するだけですよ。死骸を新聞紙に包み、ビニール袋に入れて縛って、ポンと置いておく。店員はそこで仕事をするんです。そして死臭が強くなってきたら、経営者が燃えるゴミに出しに行きます」
ほかにも「死骸をドラム缶に入れて焼いている」「死骸を冷凍してハンマーで粉々に砕いて捨てた」といった残酷な証言も得られた。
壊れて動かなくなったおもちゃを捨てるがごとく、死んだ動物を“始末”する。そこには命の尊厳などみじんも感じられない。

 
引き取り屋の施設に格安価格で引き取られた犬猫は糞が溜まったまま不衛生な環境を強いられている

取材・文/柳沢敬法 写真/大房千夏 谷口真梨子 日本動物福祉協会
ハーバー・ビジネス・オンライン


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