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捨て犬ポチとの20年

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「捨て犬ポチとの20年」一生分の費用約300万円の内訳を公開 

2019年6月16日(日) マネーの達人

 

「捨て犬ポチとの20年」一生分の費用約300万円の内訳を公開

筆者は、3歳から22歳まで庭付き一軒家で犬と一緒に暮らしていました。
名前はポチです。
ポチとの出会いは突然でした。
筆者が幼稚園から帰ってくると、我が家の庭のすみにポチが捨てられていました。
おそらく、庭がある家ならば犬1匹飼うことができると思い、ポチを置いていったのでしょう。
ポチは生後1か月程度のかわいい子犬で、一目で家族を虜にしました。この日から、ポチは我が家の家族の一員になったのです。
ポチは、筆者が大学を卒業し、社会人になるまでの約20年間生きていました。
約20年の間には、さまざまなことがあります。
今回は、筆者の実際の経験をもとに「犬を最後まで飼うといくらかかるのか」についてお話しします。

◆犬が家にやってきた まず必要になる初期費用
■市町村へ届け出る費用
ポチは、ペットショップから買ってきたわけではないので、購入費用は0円でした。
しかし、犬を飼うときには住んでいる市町村への届け出が義務付けられています。
届け出には3000円がかかります。
■健康診断・予防接種代など
さらに「拾ってきた犬」のため、病気があるのか予防接種を受けているのかもわからない状態だったのですぐに動物病院へ連れていき、健康診断です。
人間ならば公的な健康保険がありますが、動物には適応されません。
すべて実費で約1万円かかります。
健康診断費用は、動物病院によって差があります。
健康診断で受診した動物病院は、その後も「かかりつけ」となってお世話になる可能性が高いです。
平均よりも相場が高い病院を受診してしまうと、以降の医療費も高くなってしまうでしょう。
このほかにも、初期費用は狂犬病の予防接種が約3500円、ワクチン(初年度3回)約1万5000円、首輪やリード、ブラシも必要です。
首輪やリードは種類が多く、かわいいものが欲しくなりますが、子犬はすぐに大きくなり買い替えが必要になります。
ポチは、犬小屋はおさがりをもらい、食器は使わなくなった鍋で代用しました。
できるだけお金をかけないようにしましたが、必要経費だけでも5万円は準備しておく必要があるでしょう。

◆毎月かかるおもな費用
■えさ代
犬を飼うには、いうまでもなくえさ代が毎月必要です。
少しでも節約を、と考えるとき、「えさ代を安くすませればいいじゃない」と思うかもしれません。
しかし、えさ代は意外と節約できません。
なぜならば、犬は食の好みがあります。
ドッグフードならばなんでも食べるというわけではありません。
ポチが好んで食べたのは、少し高めのドックフードでした。
さらにポチは、ドッグフードよりも魚や肉を好み、「犬のえさ」というよりも人間と同じ「食事」に近かったです。
スーパーに買い物に行くときには、ポチ専用の魚を買いました。
ポチの食費は、月1万円程度はかかっていたでしょう。
■トリミング代
ポチは毛が短い雑種だったため、自宅でシャンプーとブラッシングをしていました。
毛の手入れが必要な犬種ならばトリミング代も毎月5000円程度かかります。
20年で計算すれば、それだけで120万円の出費になります。
■保険料
ポチは、バイクが大嫌いでした。
一度、バイクと接触して足をケガしてからは、バイクをみると運転手に飛びかかろうとするのです。
ある日の散歩中、ポチは横を通ったバイクの運転手の足を噛みました。
運転手は転倒し足をケガして病院を受診しました。
もちろん、相手の医療費は筆者側の負担です。
医療費の他にも通院のタクシー代やお詫びのお菓子代がかかり、総額は数万円になりました。
■自動車保険の特約「個人賠償責任保険」
これは、飼い犬が人を噛んだとき、モノを壊してしまったときにお金が支払われる特約です。
筆者は「個人賠償責任保険」に加入していたのですが、飼い犬が対象になることを知らず、請求せずに終わってしまいました。
「個人賠償責任保険」は月の掛け金がとても安い特約です。
犬を飼うときには「個人賠償責任保険」と特約とつけることをおすすめします。
■しつけ教室
また、ポチは、しつけ教室に通っていませんでした。
犬に基本的なことを教えてくれる「しつけ教室」は約5万円かかります。
大きな額に思えますが、何かがおこってしまうと、もっと大きな額の費用がかかるかもしれません。
散歩がうまくできない犬や初めて犬を飼うときには、必要な出費と考えて「しつけ教室」も考えてみましょう。

◆高齢になってからかかる費用
■医療費
ポチは、購入費用もトリミング代も必要なかったので、比較的お金のかからない犬でした。
しかし、飼い始めてから18年経った頃から、医療費がかかり始めたのです。
ポチは高齢になると人間の言葉の内容や空気をしっかりと読み取れるようになっていました。
「ポチの様子が変だから病院に連れて行こう」と誰かが口に出してしまったら、絶対に動きません。
結局、ポチの病院嫌いは最後まで続き、病気になったら獣医に往診をお願いしていました。
往診代は、診療代と同じくらい高額です。
動物の医療費に使える公的な健康保険はありません。
1度往診してもらえば薬代も含めて1万円は下りません。
最後の2年間は毎日薬を飲まなくてはならず、負担が増えました。
■火葬費
晩年のポチは、歩くスピードがゆっくりとなり、目も見えにくくなっていました。
それでも食欲だけは落ちず、手作りの食事と高級なドッグフードが常にポチ用の鍋に入れられていました。
ポチは約20年生きました。
最期は、家族に見守られながら自宅で息を引き取りました。
悲しいというよりも「やり切った」という感情のほうが強かった気がします。
住んでいた市からは「長寿犬」として表彰されました。
ポチは、約20年お世話になった獣医の紹介で、動物専用の火葬場でお骨にしてもらい、今は小さな骨壺に入っています。
ポチは体が大きな雑種で約30キロあったため、火葬費用は約5万円でした(体重によって費用は変動)。
火葬費用の中には、引取りから自宅に戻すまでの費用が含まれています。
本当ならば、ペット用のお墓を購入して納めてあげればいいのですが、お墓の購入は高額のため保留状態です。

◆犬と暮らした日々はかかったお金以上の価値がある
ポチを飼い始めるときには、ここまでお金がかかるとは想像していませんでした。
今考えれば、ポチを飼う費用は総額300万円程度かかったのかもしれません。
我が家にとって300万円はとても大きなお金でしたが、ポチと過ごした20年間はかけがえのない時間であり、ポチが筆者に与えた影響は300万円以上の価値があったと感じています。
(執筆者:式部 順子)


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