高知県でおぼれる老犬を救助 四国銀行員が迅速に対応
2014年04月24日 高知新聞
助かって良かったね―。
高知県安芸市中心部を流れる江ノ川で3月、おぼれる老犬を四国銀行安芸支店の行員たちが救助した。
犬は一時、心肺停止状態に陥り衰弱していたが、無事に回復して飼い主の元へ。
行員らは「長生きしてほしい」と見守り続けている。
3月19日夕方。
外回りから四国銀行安芸支店に帰った杉藤望さん(27)がミニバイクに施錠していたところ、動物の鳴き声が耳に入った。
「『うわぉー』って最初は犬とも分からなかった」が、安芸支店南側の江ノ川沿いを少し歩くと、ぐったりして流される犬を見つけた。
走って支店に戻り、「犬がおぼれている。助けてください」。
同僚4人が駆け付け、山崎隆義副支店長が「私が行かないと…」と、率先してスーツのまま川の中へ。びしょぬれになりながら引き上げた。
だが、心臓は止まり目も開いたまま。
誰もが「間に合わなかった」と肩を落としていると、犬は徐々に呼吸を取り戻した。
すぐさま、動物病院に搬送。
一命を取り留めた。
同じころ、安芸支店近くに住む看護師、中真貴さん(48)は雌のシバイヌ、メリーがいないのに気付き、家族で捜し回っていた。
16歳と高齢。
白内障で認知症もある。
大丈夫かと心配な夜を過ごした翌日、安芸福祉保健所に問い合わせると、川に落ちたシバイヌが入院したとの情報が入っており、所在が分かった。
後日、中さんが病院に行くと、驚きの出会いが待っていた。
杉藤さんら安芸支店メンバーが「飼い主がいないだろうから」と治療費持参で来院。
杉藤さんは「飼い主が見つかるまで飼おうと思っていた」とも言った。
中さんは「そこまで手を尽くしてもらって…」と感激しきり。
「これで最期まで世話ができます」と頭を下げた。
杉藤さんは今も時々、元気になったメリーの様子を同僚と見に行っている。