「笑顔」の忠犬ハチ公、新写真が見つかる
2019/1/28(月) View point
新たに見つかった忠犬ハチ公の写真。
1933年ごろ大樹八重子さんの自宅前で撮影され、当時10歳ぐらいとみられる。
(白根記念渋谷区郷土博物館・文学館提供)
ゆかりの女性が保管、渋谷であすから展示
東京・渋谷駅で飼い主の帰りを待ち続けた忠犬ハチ公の新たな写真が見つかり、東京都渋谷区の白根記念渋谷区郷土博物館・文学館に寄贈されていたことが27日、分かった。
同館によると、ハチ公の写真は70枚ほどが現存するとされるが、はっきり笑っているように見える写真は極めて珍しいという。
29日から3月24日にかけ、同館で一般展示される。
ハチ公は1923年、現在の秋田県大館市で誕生。
東京帝国大の上野英三郎教授に24年から飼われたが、上野教授が翌年に急死したため、上野家に出入りしていた植木職人に預けられた。
同館によると、植木職人は仕事に出掛ける際、父親が上野教授の教え子で、教授宅の近くで暮らしていた大樹八重子さん(96)の自宅にハチ公を預けることがあった。
大樹さんは、小学校から帰宅するとハチ公とよく遊んだといい、「とても賢くて、かわいかった」と話しているという。
大樹さんの父親はハチ公を何度か撮影したとみられるが、太平洋戦争中の空襲で全て焼失したと思われていた。
しかし、戦後に大樹さんの親戚宅に1枚だけ残っていたことが分かった。
写真を受け取った大樹さんが2017年に同館に寄贈し、同館が調べた結果、本物と判明した。
同館の松井圭太学芸員(51)は「ハチ公は飼い主の帰りを待ち続ける、けなげでかわいそうなイメージが強いが、いろいろな人にかわいがられ、幸せに生きたことも知ってもらえれば」と話している。
ハチ公が見つめた平成
2018年12月31日((月)) 産経新聞
忠犬ハチ公像の写真をスマートフォンで撮る人たち(川口良介撮影)
平成元年に渋谷駅(東京都渋谷区)前の整備で西に7メートル移動した忠犬ハチ公像。
主人を待つエピソードと同じように向きも変わり改札口を見るようになった。
それから30年。
今では広場にはスマートフォンを手に大勢の外国人観光客が訪れる風景が広がっていた。
平成の時代に登場し、急速に進歩した携帯電話は生活スタイルも変化させ続けている。
会員制交流サイト(SNS)を通じて世界に情報も発信できるようになった。
元年に約280万人だった年間訪日外国人客数は、今年で3000万人を突破。
2年後には4000万人を見込んでいる。
次の時代、ハチ公像が見つめる先にどんな景色が広がるのだろうか。