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命の大切さを伝える〜Free Petsの「いのちの教室」

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命の大切さを伝える〜Free Petsの「いのちの教室」

いぬのきもち・ねこのきもち ~ 犬のこと猫のこと 

2010年にツイッター上で「動物のために何かできないかな?」という会話がきっかけで発足した「一般社団法人Free Pets〜ペットと呼ばれる動物たちの生命を考える会(通称:ふりぺ)」。
動物が好きなミュージシャンやイラストレーター、文章を書く人など、さまざまな職業を持った人たちの集まり、それぞれの仕事を活かした得意な表現方法で動物愛護を広く啓発していくことを目的としています。

「Free Pets」の活動の一環として、小学生や中学生に向けて開催しているのが今回ご紹介する「いのちの教室」。
捨てられた犬猫を保護し譲渡会を開いている保護団体の活動を知ってもらったり、捨てられた動物たちのことや、震災で被災した動物のことを通して、子どもたちと「いのち」について考える「いのち」の大切さを学ぶ時間です。
文・構成/いしぐろゆきこ

プロが伝える「いのち」への想い
東京都目黒区内の小学校。
この日、給食を終え体育館に集まってきたのは1年生〜3年生の児童たち。
まずは校長先生が語りかけます。
「『いのち』って、何だと思いますか。みんなやパパやママの命と、犬や猫の命って、同じだと思いますか?これからかわいい犬や猫が登場するお話を聞いたり、アニメを見たりします。楽しみだね。みんなは、どんなことを感じたり、考えたりするのかな」



「いのちの教室」がはじまりました。
授業のはじまりは、「Free Pets」オリジナルビデオ『ハルの日』をスライドで観ました。
これは、はじめはかわいがられていたハルという犬が、飼育放棄をされ動物愛護センターに連れて行かれてしまうおはなし。
朗読は歌手の坂本美雨さん、ピアノの伴奏は音楽家の赤井由絵さん。


『ハルの日』はYouTubeにて公開もしています。
絵本作家:どいかやさんと作家でFree Petsの代表:渡辺眞子さんの書き下ろし

スライドが終わると、進行役の菊地由美さんが子どもたちに尋ねました。
「かわいそうだと思った」「自分ちの犬なのになんでセンターに連れてくの?」「なんかへん!」「犬を嫌いになった訳じゃないのに、なんで捨てるの?」「犬をなんとかしてやりたい」……etc 素直な感想に、私たち大人までハッとさせられます。
今までかわいがっていたペットを、命が絶たれると知りながらセンターに持ち込む行為は「矛盾」という言葉を知らない子どもたちでさえも「何かおかしい」と違和感を覚えることなのです。


『ハルの日』について話をする、坂本美雨さん(写真右)、渡辺眞子さん(写真中央)、赤井由絵さん(写真左)

また、この日は映画『犬と猫と人間と』のダイジェスト版上映もあり、監督の飯田基晴さんによるお話を聞くことができました。
捨てられる動物たちと、その命を救おうとする人々、仕事とはいえ、動物たちの最期を見届けるセンターの職員さんたちの声を聞き、子どもたちは何を感じたのでしょうか……。



学校での放送用などに使われる『犬と猫と人間と』のダイジェスト版『いぬとねことにんげんと』
「たとえば、人のことは『大きくなりすぎちゃったから』とか『病気だから』なんて言って捨てないよね? ならば、なんで犬や猫のことは簡単に捨てちゃうんだろう……?」そんな問いかけにも、子どもたちは真剣に立ち向かっていました。


『犬と猫と人間と』の監督:飯田基晴さん(写真中央)、一般社団法人ランコントレ・ミグノンの代表:友森玲子さん(写真左)、「いのちの教室」の進行を務める女優・声優の菊池由美さん(写真右)。

それぞれの立場から、動物に対する想いを届けます そして最後に「Free Pets」からのメッセージを、心を込めて伝えます
「犬や猫もね、人間といっしょなのよ。嬉しいも楽しいも、悲しいも痛いも、みんな同じように感じるんだよ。だから、みんながされたくないことは、犬や猫にもしないでね。犬はね、15年くらいは生きる。猫は20年くらい。1年生のお友だちが子犬を飼いはじめたとしたら、23歳になるくらいまで生きているの。そのときまでちゃんといっしょにいられるか、最後までお世話ができるかを、家族と話し合って考えてから犬を飼うことを決めてね」
輝く瞳で真剣に話を聞いていた子どもたちのなんと頼もしいことか。
この授業を受けた子どもたちが家に帰って、家族にどんなふうに話をするのでしょう。
「捨てられた犬を飼いたいと思った」そう話した女の子もいました。


写真左より、赤井由絵さん、友森玲子さん、Free Pets代表の渡辺眞子さん、女優の浅田美代子さん、アルプ代表/家庭動物環境コーディネーター森茂樹さん

今回は、小学校低学年への授業だったこともありアニメ鑑賞からのスタートでしたが、授業のプログラムはそのときによって異なります。
ときには「Free Pets」のメンバーを交えて子どもたちとディスカッションすることもあるし、いっしょに歌ったり演奏することも。



「いのちの教室」のほかにも、トークイベント(おとなの「命の教室」)などさまざまな活動を行っている
日本は「ペット大国」といわれて久しいけれど、年間多くの犬や猫が殺処分されてもいます。
そんなペットたちの現状を少しでも変えていきたい。
そのためには情報を正しく知り、ペットたちをめぐる環境がよりよくなるよう、考え、発信し続けること。
「Free Pets」は、そんな活動をしています。
「いのちの教室」は、この後、三重県桑名市の小学校や東京都渋谷区の中学校でも行われ、秋には岐阜県、東京都板橋区でも開催予定。
「Free Pets」は、これからも「いのちの授業」を続けていきます。


取材時の「いのちの教室」運営メンバー
前列左より森茂樹さん、渡辺眞子さん、浅田美代子さん。後列左より菊地由美さん、赤井由絵さん、友森玲子さん、Route24代表/ゲームクリエーター:西健一さん、飯田基晴さん(坂本美雨さんは仕事の都合で途中退席)


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