マカオ政府、元ドッグレース運営会社への処分手続き完了
・・・約3.3億円の罰金納付=レース犬500頭超を遺棄
2019年1月10日(木) マカオ新聞
ドッグレース場に遺棄されたレース犬の健康状況を確認する市政署(当時名称:民政総署)の職員(資料)=2018年7月(写真:IAM)
マカオは豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実はその他のギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。
そのうちのひとつ、マカオ逸園カニドローム社の運営による「ドッグレース」がコンセッション満期を迎えた昨年(2018年)6月末をもって87年という長い歴史に幕を降ろした。
かつてマカオのギャンブルの花形として栄えたドッグレースだが、近年はファンの高齢化、売上の減少、施設の老朽化が進み、さらには動物愛護団体から虐待だとする指摘を受けるなど、存続が厳しい状況が続いていた。
コンセッション延長申請を行うも、政府から税収、ドッグレース場周辺エリアへの経済効果、海外からの旅客の誘致につながらないことなどを理由に否決され、終了が決まったという経緯がある。
なお、政府はコンセッション満期を迎えるにあたり、2年前から里親募集による引き取り先のメドをつけるなど、レース犬の妥当な処理をするよう再三に渡って運営会社に要請してきた。
しかしながら、満期後に政府が施設を接収した時点で、犬舎に500匹を超えるレース犬が残されていたことが発覚し、運営会社に対して動物愛護法に基づき責任を追求するに至った。
ドッグレース場に遺棄されたレース犬の状況及び犬舎の環境を確認する市政署(当時名称:民政総署)の職員(資料)=2018年7月(写真:IAM)
マカオの動物行政を管轄する市政署(IAM)は1月9日にプレスリリースを発出し、運営会社に対する動物愛護法に基づく処分手続きが完了したと発表。
運営会社がレース犬1頭あたり5万マカオパタカ(日本円換算:約66万8000円)、総額およそ2500万マカオパタカ(約3億3400万円)超の罰金を納付したとのこと。
このほか、残されたレース犬の継続飼育等にかかった費用としておよそ500万マカオパタカ(約6680万円)を昨年12月に支払ったという。
市政署では、現地動物愛護団体の協力を得て、残されたレース犬の里親募集を行っており、昨年10月15日から今年1月9日までに191頭の引き取り先が決まったとのこと。
引き取り先は米国が180頭と最も多く、次いでマカオの6頭、イタリアの5頭だった。
里親探しについては順調に進んでいるとし、今後も継続しながら今年5月末までにすべての引き取り先を確保したいとした。
マカオドッグレースの模様
世界のこぼれ話
2018年7月23日 6ヶ月前REUTERS
マカオでドッグレース廃止、犬600頭は当局が引取先募集へ
7月20日、世界最大の娯楽センターである中国の特別行政区マカオで、ドッグレースが21日廃止されるのに伴い、残されたグレイハウンド犬600頭の引き取り手を当局が探すことになった。
写真はレース場で休憩するグレイハウンド犬、6月2日撮影(2018年 ロイター/Bobby Yip)
[香港 20日 ロイター]
世界最大の娯楽センターである中国の特別行政区マカオで、ドッグレースが21日廃止されるのに伴い、残されたグレイハウンド犬600頭の引き取り手を当局が探すことになった。
レース廃止問題は以前から、マカオ当局、動物愛護運動家およびレース運営会社「逸園カニドローム」の経営者アンジェラ・レオン氏の間で議論されてきた。
レオン氏は、マカオのカジノ王で香港出身の実業家スタンレー・ホー氏の4番目の妻で、長く行政区の議員も務める富豪。
以前から、犬を虐待していると動物愛護団体に非難されてきた。
マカオ行政区は19日夜、逸園は土地のリース期限が切れることが2016年初頭から分かっていたにもかかわらず、犬に対する責任ある解決策を見つけていなかったと批判。
「逸園は、グレイハウンドの処遇や行き先探しを遅らせてきた。犬の世話は不確実な状態となっており、市民を不安にさせ、社会問題化している」との声明文を公表した。
行政区によると、逸園は動物愛護法により罰せられる見通し。
当局は犬が適切なケアを受けられるよう保証するという。犬が現在どのような状態にあるかについては触れていない。
マカオでは高級カジノが上陸して以来、ドッグレースは旧世代の娯楽として下火になっていた。