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秋田犬の殺処分、本場秋田で全犬種の1割超に

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秋田犬の殺処分、本場秋田で全犬種の1割超に

2018年12月14日(金) 読売新聞

国内外でブームとなり、人気を呼んでいる秋田犬。
その本場である秋田県内で2015年度以降、飼い主に捨てられるなどして保健所に収容され、殺処分されたのは全犬種の1割(9月末時点)に上っていることが12日、県への取材で分かった。
秋田犬は、国の天然記念物で、県の観光PRにも欠かせない存在だ。
悲惨な殺処分をなくそうと、秋田市の保護団体が保健所から引き取った秋田犬を新たな飼い主へと引き継ぐ取り組みを進めている。

県動物管理センターで、犬種ごとの殺処分頭数をまとめ始めた15年度以降、今年9月末までに処分されたのは全体で252頭。
このうち、秋田犬は29頭(11・5%)を占めていた。




秋田犬は、国内に古くからいる「日本犬」の中では唯一の大型犬。
飼育するには広い敷地が必要なことから、近年の住宅事情に合わなくなっている。
愛好家の間でも高齢化が進み、死亡や病気などの理由で秋田犬を手放す際、引き取り手がいないケースも出て、保健所での殺処分という結末となる。
秋田犬を殺処分から守ろうと、秋田市で3月、一般社団法人「ONE FOR AKITA」が発足。
4月には同市中通の「エリアなかいち」内で秋田犬の展示施設「秋田犬ステーション」を開設した。
来場する市民や観光客らに殺処分の現状を説明するほか、Tシャツや小物など「秋田犬グッズ」を販売し、売上金や寄付金を元手に、宮城県内の保健所などから雄雌3頭を保護した。
11日には同市雄和妙法の観光・交流拠点「華の里」内に、保護した秋田犬のための訓練施設「秋田犬 華の里ステーション」をオープンさせた。


ドッグランや休憩用のあずま屋を備えた「秋田犬 華の里ステーション」(秋田市で)


保護した秋田犬を訓練するトレーナー

飼い主に捨てられるなどした犬は、体力が衰えたり、人間への警戒心、恐怖心が強まっていたりしている。
こうした犬を癒やし、再び新しい飼い主の元へと引き取られていくまで同法人が面倒を見る。
同ステーションは1・3アールの敷地に犬が休憩するあずま屋と、自由に駆け回れるドッグランを備えた。
建設費は約440万円で、このうち196万円分は、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングで賄われた。
開所2日目の12日、保護した犬2頭を初めて放したところ積もった雪の上を走ったり、トレーナーに尻尾を振ってすり寄ったりと、うれしそうにする様子が見られた。
同法人では今後、保護した犬を複数同時に訓練することで、新たな飼い主に引き継ぐために求められる協調性も仕込んでいく方針だ。
高橋伸明事務局長は「訓練を重ね、保護した秋田犬を1頭でも多く、新たな飼い主に橋渡ししたい」と話している。

◆秋田犬=柴犬(しばいぬ)や紀州犬、北海道犬、甲斐(かい)犬、四国犬とともに日本に古くからいる「日本犬」。1931年、この中で最初に国の天然記念物となった。クマなどを狩る時に使われた「マタギ犬」がルーツとされる。秋田犬保存会が血統書発行のために管理している「犬籍」登録状況(2017年末時点)によると、国内2704頭に対し、海外は「忠犬ハチ公」を題材にしたハリウッド映画の影響や大型犬ブームなどで、3967頭と上回っている。


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