「日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク」として、
ピースウィンズジャパンを動物愛護法違反で告発しました
December 5, 2018
ピースウィンズ・ジャパン(ピースワンコ)の告発に関するご報告
広島県及びピースワンコに対して質問状や要望書を提出してから5年が経ちました。
この間、週刊誌等の報道もあり、ピースワンコ保護施設の動物福祉に反する運営実態が広く知られるところとなりました。
しかし、残念ながら、様々な訴えにも関わらず、依然として収容頭数は増え続け、自発的改善も見られず、現在は一刻の猶予もない程の惨状であることが、元勤務獣医師の証言や内部写真等で明らかになっております。
ネットワークではかねてより告発の必要性を感じて情報収集に努めておりましたが、情報開示など透明性とは無縁と思えるような団体(施設)なので困難を極め、ネットワークとしての限界を感じていた時期もございました。
しかし今年に入り、地道な活動の成果ともいえる、内部告発者からの信頼できる情報提供などが相次ぎ、告発が現実的なものとなったため、弁護士を交えて検討を重ねた結果、11月26日付けで動物愛護法違反として広島県警福山北警察署に告発するに至りましたことをご報告申し上げます。
なお、今回の告発の目的は、まず一刻も早く広島県からピースワンコへの譲渡をストップさせることにあります。
同時に、速やかに保護犬すべて(幼犬・老犬・傷病犬は除く)に不妊手術を実施させ、今現在いる犬たちの環境改善を図るとともに、強引な殺処分ゼロ運動がもたらす弊害についても広く世に問う所存です。
今回の告発に関して、皆様のご理解・ご協力をいただければ大変幸いです。
また、賛同団体への呼びかけと署名活動は引き続き行っておりますので、こちらへのご協力もぜひよろしくお願い申し上げます。➡署名等はこちら
日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク
https://inunekonet.wixsite.com/openletter-pwj
12月6日追記:福山北署から連絡があり、本日12月6日に告発が受理されましたことをご報告いたします!
告発概要
違反条項:動物の愛護及び管理に関する法違反
(同法第44条1項、2項、第48条2号)
違反の事実概要:
1 動物の状況
ピースワンコは、広島県神石高原に本部があり、行政が収容した犬を引き取り、保護し、里親に渡す事業を行っている。
2012年夏に神石高原町内で犬の引き取りを開始し、2016年4月からは、広島県内で殺処分対象となった犬の全犬引き取りを始めた。
ピースワンコのホームページによれば、毎週20~30頭の引き取りを続けている。
資金としては、神石高原町のふるさと納税も使用している。
犬の収容施設であるシェルターは大きく4つに分かれている。
そのなかでも最大のシェルターである神石高原町内のスコラ高原シェルターでは、2017年6月の時点で約900頭、2018年1月の時点で1400頭の犬が収容され、過密収容状態であった。
10畳ほどの場所に20頭以上が収容される部屋もあり、劣悪な環境であった。
スタッフ数は7~8人程度であり、到底手の行き届いた世話ができる状態ではなかった。
犬舎の床はペンキが塗られ、ドックランは土のため、どの犬も爪が通常の2倍くらい伸び、爪の損傷も多かった。
餌は1日1回、直径30センチメートルくらいの皿を20頭につき3つ程度置くだけであった。
そのため、餌の取り合いになり、満腹にならない犬もいた。
そのような収容状態の中で、毎日1~2頭が死亡し、月に約30頭が死亡していた。
死亡原因の多くは集団リンチによる外傷性ショック、失血死などであった。
狭い犬舎に閉じ込められ劣悪な環境にある犬たちは、極度のストレス状態にあり、弱い犬を集団で攻撃し、噛みつくなど攻撃していた。
攻撃された犬は、犬の急所である首や内股などを噛まれ、深さ3~4センチの深さの傷となり、頸動脈に穴が開いていたこともあった。
他の犬たちから強く圧迫され死亡する個体もいた。
また、ピースワンコは、収容した犬の不妊・去勢手術を基本的に行わない方針をとっており、スコラ高原シェルター内では子犬もよく生まれていたが、子犬は、寄生虫や原虫の感染で死亡していた。
夜に出産があった場合、スタッフが子犬を犬舎から取り出せずそのままになっているため、血の匂いのする子犬は過密状態の犬舎の中で他の犬に食べられてしまうこともあり、その場合は、朝になると肉片のみ犬舎に残っているという状況であった。
少なくとも2018年1月までは、スコラ高原シェルター内には、外科の器具はなく、犬のけがの処置を行なうことはできない状況であった。
処理をする場合は、自動車で市街地の動物病院に自動車で犬を運ぶ必要があり、付き添った獣医師は、いったん出かけると自動車で24時間戻らないこともあった。
また、収容されている犬の数に比べ職員数が絶対的に足りないため、職員の犬への扱いが乱暴になる例も見られ、子犬を蹴り上げる、リモコンを犬に投げつける、棒でたたくなどのケースも日常的に見られた。
2 動物愛護法違反について
動物愛護法第44条1項では、愛護動物をみだりに殺し、または傷つけた者は2年以下の懲役または、200万円以下の罰金とする。
また、「健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること」「疾病にかかり、負傷したものの適切な保護を行わないこと」は動物愛護法第44条2項の「虐待」にあたり1年以下の懲役または100万円以下の罰金にあたる。
以 上