「ドイツでは正当な理由なしに犬や猫などの脊椎動物を殺すことを禁じる法律がある」に関する海外の反応
2018年9月21日(金) カラパイア
動物を家族の一員に迎える人が増える昨今、野性動物や行き場のない動物への意識も高まりつつあるが、ドイツの動物保護法がネットで話題になっている。
海外掲示板によると、ドイツでは正当な理由無しに脊椎動物を殺すことを禁じており、釣りや狩りにおいてもその法律が徹底されているという。
できる限り動物の命を尊重しようとする社会。
キャッチ&リリースは違法、動物保護施設は基本的に殺処分なしが普通だという。
ドイツでは動物を殺すことは違法。
ネットの反応は・・・
その話題はredditユーザーのthrowawaypussiesからもたらされた。
ドイツでは、「病気」もしくは「人間に危害を及ぼす」などの正当な理由がない限り、動物を殺すことは違法とされている。
このためドイツの動物シェルターには殺処分がない。
すると動物福祉の先進国であるドイツについて様々な反応が上がった。
ドイツの釣りや狩猟について
・実際ドイツでは「キャッチ&リリース」も違法に当たる。捕獲すべきでない魚を海や川に戻すことはできるが、食用にしない魚を獲ることはできない。
・食用の魚釣りは許されるが、単に釣るための釣りは許されないんだ。
・ドイツでは狩猟も盛んだが、対象として認められるのは天敵(自動車を除く)がほとんどいないシカなどで、バランスを保つためにやらざるを得ない狩りもある。
・動物の数を管理する狩りは認められるけど、許可が要る。
・自分は狩猟ファンとかじゃない。でもシカやイノシシの数が多すぎるのは確かだ。オオカミを狩るひどいハンターもいるけど狩猟は生態系に有益な文化だと思う。
・シカが増えすぎているのを知らない人はたくさんいるよね。自分は狩りをしたことないけど、狩りのほとんどは慈悲だって。生態系でカバーできない数のシカがいると冬に餓死する個体が大量に出る。
ネズミ駆除も苦痛を与えないきまり
・その法律にはげっ歯類も含まれるの?ネズミに悩まされてるときに人道的なトラップや毒を使うのもダメなのかな
・それは例外だから「不要な苦痛は与えない」という条件付きの防除措置に該当する
基本的なバネ式のネズミ捕りは余計な苦痛を与えずにネズミを殺せる駆除方法として認められているけど、とりもちのような接着剤を使って放置するのはどうかと思し、専門的な駆除方法にはもっと規制があるかもしれない。
・接着式は猫とか他の動物にくっつくこともある。それが原因で餓死することもあるから虐待のおそれがある方法として厳しく禁じられている。
・げっ歯類は例外に当てはまる。生きたまま捕獲して森に放せるし、パン屋なら倉庫内のネズミをすべて殺しても良いという許可も得られる。これは病気の拡大を防ぐためでもある。
・ネズミの捕獲はたいした問題じゃない。都市なら車に轢かれる個体がけっこういるし、野生では捕食者に駆られてほどほどの数になっている。農家ならネズミを駆除して肥料にすることもあるだろう。知っての通り、法律はあくまで理論上のものだからね。
政府が運営を委託する動物保護施設
・ドイツは動物福祉が進んでいて、行き場のない動物を保護する「ティアハイム」という私設シェルターが1000以上もある。そこで暮らす動物の90%以上が引き取られているし、施設も立派だよ。
ドイツのティアハイム image credit:imgur
・ティアハイムは政府からの資金もあるから常勤の従業員もちゃんといて、食料も備品も十分にあるみたい。学生ボランティアも必要なさそうだったよ。
・私はベルリンのティアハイムから4匹のスナネズミを引き取ったよ。それから数カ月後に獣医師が来てくれて飼育環境や健康状態もチェックしてくれた。
・ドイツの地方自治体はティアハイムに委託資金を支払っている。その額は年間の運営費の半分に満たないが、あとはスポンサーと寄付で運営してる。
・ドイツ在住だけど、殺処分するシェルターを知ってショックを受けたわ。シェルターは保護する場所なのに殺すなんてひどいと思った。
保護法にまつわる義務や効果
・ドイツは誤って動物を傷つけたり殺したりすると警察が来るまでその動物のそばで待機する義務がある。だから父親が道に突っ込んできたシカを間違って撃った時も警察を呼んだけど、そのシカが回収されるまで動かないように指示されたよ。
・ドイツには野良犬もまずいない。去勢や避妊処置を受け、徘徊しないようになっているから。うろついている場合は捕まえられてシェルターに運ばれる。シェルターにいる動物の多くは前の飼い主が持ち込んだペットだと思う。あとシェルターで過ごす動物はわずかで、大半がすぐに引き取られるか高齢で亡くなる。
・ドイツには問題を起こす犬はほとんどいない。迷惑な犬の飼い主には令状が届いて税金を払う義務があるから。それで動物を飼う人も事前に熟考するから飼育放棄もまずない。賃貸だとペットを手放すケースが良くあるけど、それも簡単にできないんだ。
ドイツ以外の国からはこんな反応もあった。
・アメリカもそうして欲しい。いくつかの都市では似たような動きはあるけど何らかの理由で反発されてる。人間の趣味より動物の福祉のほうが重要だと思う。
・カナダも少しずつ良くなってるよ。自分の敷地で大量に繁殖させて動物を売る行為も禁止されて悪質なブリーダーもいなくなったし、シェルターの動物を飼育する人も増えたよ。
・繁殖させまくりの悪質ブリーダーかぁ。自分の土地ならどんなことも自由だからね。スカンジナビアでこういう問題があるかどうかわからないけど野良犬は見ない。でもまたオオカミを狩れるようになっちゃった。
・かつてヨーロッパにもライオンがいたし、オオカミももっといっぱいいた。でもフランスのパリがやってきたことを本で読めば、昔の人が彼らの根絶を望んでいたのがわかる。幸いなことに今の私たちは生態系をよく理解して、生き残った動物を守るために努力してるわ。
大型動物も保護。安楽死も許可制の保護施設
ドイツの動物保護施設は大都市に設置され、国と契約したメジャーな非営利団体が運営している。
対象の動物は犬や猫だけでなく、ラットやウサギなど小動物も含まれ、経済的な理由などで手放された馬や牛などの大型動物などにも専用の保護施設がある。
ドイツは正当な理由無しで脊椎動物を殺すことを禁じているが、例外は食用や許可された狩猟、感染症の管理のほか、治療も不可能で苦痛の中を生きるしかない動物や、一般市民に危害を与える動物への安楽死がある。
ただし安楽死は当局の調査に基づき、正当とみなされた場合のみ行われる。
こうした事情からすべての保護施設において殺処分はできない。
また施設では動物の取り扱いに詳しい者の指導が求められるため、主に獣医師がその役割を果たしているという。