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虐待で耳切り取られた猫

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「誰か里親に」 虐待の茶トラ保護、名は「平城丸」

2018年9月19日(水) 毎日新聞

奈良市の平城宮跡で今月11日、虐待を受けて耳が切り取られた可能性がある茶トラの雄猫が見つかり、市内のケアマネジャー、伊奈垣美香さん(38)が保護した。
伊奈垣さんは猫を「平城丸(ならまる)」と命名。
「多くの人に猫の命を考えるきっかけにしてほしい」と回復の様子をフェイスブック上で発信しながら、里親を探している。


保護した「平城丸」を可愛がる伊奈垣美香さん=奈良市の伊奈垣さん宅で2018年9月14日午後0時9分、数野智史撮影


奈良市で保護された直後の平城丸。耳が切り取られたように無くなり、背中のやけどのような痕が痛々しい=伊奈垣美香さん提供

伊奈垣さんは11日午後6時半ごろ、仕事帰りに自転車で平城宮跡内の遊歩道を通った際、草むらにいる小さな猫を目にした。
たまたま持っていた餌を手に近付くと、すぐに異変に気付いた。
「耳が無い」。
背中はケロイド状で赤くなっており、顔や首も傷だらけで血がにじんでいた。
ショックを受け、慌てて110番通報した。

伊奈垣さんは、猫の殺処分を減らすための里親探しなどをしているボランティア団体「なら地域ねこの会」で活動する知人らに協力を求め、捕獲した。
市内の動物病院に連れて行き、背中を何針も縫う手術を受けさせた。
獣医も「虐待の可能性が非常に高い」と診断。
猫は2歳前後で、傷は数カ月前に付けられたとみられる。
奈良県警奈良署が動物愛護法違反容疑で捜査している。
2008年ごろに猫を飼い始めた伊奈垣さんが小さな命への考えを深めたきっかけは、16年4月の熊本地震だった。
熊本県は当初、地震後に保護された犬猫を飼い主とはぐれた可能性のある「被災ペット」として殺処分せずにいたが、施設がパンク状態に陥り、11月以降に保護した犬猫は通常の扱いに戻した。
伊奈垣さんはそれに心を痛め、被災ペットの里親になることを決意。
同年末、2匹の飼い猫に加え、新たに首に障害のある雄猫を自宅に迎えた。
「どうして殺処分がなくならないんだろう」。
伊奈垣さんは、なら地域ねこの会と連携して活動を続けるうちに、市民全体で意識を変えていかなければ、保健所や愛護センター行きになる猫が減らない現状に気付いた。
現在は、地域のトラブルを避けながら温かく猫を見守るため、野良猫に不妊手術を受けさせて繁殖を抑える活動を周辺住民と共に進めている。
弱った野良猫を何匹も保護するうちに、自宅2階の一室はケージなどを置く専用の「保護部屋」になっている。
平城丸も部屋に来た直後はおびえて威嚇ばかりしていたが、次第に落ち着きを取り戻し、手術から2日後には、床から高さ約1メートルの出窓にジャンプするほどまでに回復した。
伊奈垣さんは「まだ若いから治りが早い」とホッとした様子。
傷が癒えるまで世話をするつもりだが「この子に合った環境で、幸せにしてくれる優しい飼い主さんが現れてくれればうれしい」と里親を探している。
平城丸は人間には慣れており、元々は飼い猫だったとみられる。
伊奈垣さんが自身のフェイスブックアカウント上で随時、情報を掲載している。
引き取りの申し出や問い合わせは電子メール lovesweetsora@i.softbank.jp へ。
【数野智史】


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