福岡市が猫60匹を「特例」で保護 飼い主急病のため 新たな飼い主募集
2014/02/13(木) トペ スイシーダ(愛知県)
福岡市は1月末、猫60匹を「特例」で保護した。
飼い主の30代男性が急病で倒れたためだ。
動物愛護管理法が改正され、自治体は安易な理由での引き取りを拒否できるが、今回は60匹と数が多く、ボランティア団体が窓口となり新たな飼い主を探している。
市によると、飼い主と同居している女性が1月上旬、「1人では飼えない」と引き取りを求めてきた。
猫たちは3〜11歳。
市内のマンションの室内で飼われていた。
飼い始めたときは、アメリカンショートヘアと野良猫の計3匹だったが、11年でどんどん繁殖し20倍に。健康状態に問題はなく、トイレのしつけも済んでいたが、避妊や去勢手術はしていなかった。
猫たちは今、市動物愛護管理センター(東区)の犬舎にいる。
安河内清文所長は「今回は異例の措置」と強調する。
年々減っているものの、センターに引き取られた猫は原則、殺処分となる。
今回は、飼い主が繁殖制限をしていないこともあり、引き取りを拒否できると一度判断したが、60匹が捨てられた場合に周辺に与える影響が大きいと判断し、一時的に保護した。
ボランティア団体「TNR―博多ねこ」が窓口となり飼い主を探した結果、13日現在、41匹に新たな飼い主や飼い主候補が見つかった。
全国からえさやトイレなども寄せられている。
博多ねこの木本美香代表(51)は「今回は氷山の一角」と指摘する。
猫は1回の出産で6匹は産むなど繁殖能力が高く、不妊手術を怠ると一気に増える恐れがある。
以前も大分で約50匹が一度に保護されたことがあった。
「繁殖を制限して、行き場のない猫を生み出さないことが大切。また、自分が事故や病気の場合に周りの誰が面倒を見るのかまで決めるなど、終生飼育に責任を持つべきです」
引き取りの希望など問い合わせは、博多ねこのホームページ(http://www.geocities.jp/hakataneko22/)から。
(柴田菜々子)
福岡市動物愛護管理センターに保護されている猫=福岡市東区
2014年3月24日(火) 福井新聞
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