Quantcast
Channel: 動物たちにぬくもりを!
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3575

北海道で増える ネコ“多頭飼育崩壊“

$
0
0

なぜ? 北海道で増える ネコ“多頭飼育崩壊“ 救出現場から見えた背景

2018年3月31日(土) 北海道ニュースUSB(UHB 北海道文化放送)

北海道の猫の収容数と殺処分数(札幌市、旭川市、小樽市を除く)は、10年以上どちらもその数は減り続けています。
しかしここ数年、北海道で増えているのが猫の大量繁殖で飼い主の飼育が不可能となる猫の「多頭飼育崩壊」です。
その壮絶な現場にカメラが迫りました。
果たしてその実態とは?


ツキネコ北海道 (吉井美穂子代表)には、取材当時、約120匹のネコが保護されていた

「保護ネコは120匹くらい」
札幌市中央区。
保護猫と触れ合える「カフェ・ツキネコ」です。
ここにいるのは、野良猫や飼い主の飼育困難など、様々な理由で保護された猫たち。
里親希望者には譲渡も行っています。
北海道で初めて、猫に関する相談窓口を開設するなど、猫の保護活動を15年以上続けているNPO法人ツキネコ北海道・代表の吉井美穂子さんです。
ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「(Q.今、保護猫はどれぐらい?)数えたことないですけど120匹ぐらい」
諸橋佳恵ディレクター:「Q.この子たちの名前ですか? 」
吉井代表:「そうですね、でも待っている猫もいるので(Q.待っているとは?)多頭飼育の場合だと全部を引き出せないので、少しずつ引き出して、うちがキャパオーバーにならないようにやっている」
猫の大量繁殖で、飼い主が飼育困難になる多頭飼育崩壊。
吉井さんによると、北海道でもここ数年、その数が増えてきているといいます。
ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「独居老人だったり、社会生活から踏み外してしまった人たちの問題がなかなか解決できない」
諸橋ディレクター:「Q.そういうところにいる猫たち? 」
吉井代表:「(猫が)そこで処分ってことになったり、猫も、人も行き場が無くて困っているというのを沢山見ていますね」


京極町の高齢女性宅で多頭崩壊飼育の相談が寄せられ、スタッフが現場に向かう

ネコ多頭飼育崩壊の“救出“現場へ
3月上旬。
後志地方の北海道保健環境部から、京極町の高齢女性の家で、猫の多頭飼育崩壊の相談が寄せられ、ボランティア団体のアニボック北海道とツキネコ北海道が、猫の救出に向かいました。
猫の保護は、猫の健康状態も確認しながら行うため、獣医師も立ち会います。
役場の職員なども含め、総勢15人。
全ての猫を救出し、これ以上増えることの無いよう、避妊・去勢手術も行います。


高齢女性Aさんの自宅の猫たち。スタッフは「約40匹いるのでは」

「嗅いだことのない臭いが」
古い木造の一軒家。
猫の糞尿の臭いが、家の外まで漏れていました。
アニボック北海道代表 明念大雄代表:「大丈夫そうですか? 」
京極町社会福祉協議会 保村貴志さん:「(昨日から)猫はご飯があたっていないから集まって来ている、ストーブの周りにすごいいるんで」
アニボック北海道代表 明念大雄代表:「まずは、きのう捕まえたやつを入れ替えで。猫がおそらく40匹弱ぐらい。きのうから仕掛けをしてあるので、入っていると思うので、今からそれを確認して」
まずは、猫のトイレと化している納屋と風呂場へ。
息が出来ないほどの強烈な悪臭、そして木材やごみが散乱し、荒れ果てた床には、1匹の猫。
諸橋ディレクター:「(Q.嗅いだことの無い臭いですね)」
アニボック北海道 明念大雄代表:「鼻にくるというかツンとくるというか。適正飼育とは絶対に言えない」
家の中は、さらに強い悪臭が立ち込め、足の踏み場も無い床に、70代の高齢女性が一人。
その周りを、沢山の猫が囲んでいました。
ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「この子たちけっこう人懐っこいですね。なので里親さん見つかりやすいかなと」
吉井さんによると、多頭飼育崩壊の9割は高齢者で、猫への虐待などはなく、経済的困窮や、避妊手術などへの知識がないために、状況が悪化するといいます。
この家に一人で暮らすAさんも、そんな一人です。


Aさんは、崩壊のきっかけは、一匹の妊娠した迷い猫が自宅にやってきたことだったと打ち明ける

きっかけは一匹の「迷い猫」
諸橋ディレクター:「Q.どれぐらい前から増えちゃったんですか?」
Aさん:「10数年前だね。だって誰かが投げてったシャムネコのお腹が大きかったの。それで増えちゃったの。それでなければ、いないはずなのに」
犬や猫が大好きで、10年前から猫を2匹飼っていたというAさん。
そこへ、1匹の迷い猫が住みついたことが始まりでした。
諸橋ディレクター:「Q.いっぱいいるとお世話大変でした? 」
Aさん:「そうだね~、自分より猫をかまっている方が多いもん、こんだけいたら」
諸橋ディレクター:「(Q.何匹か残すんですか、まだお婆ちゃんのところに? 」
ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「随時(猫を)引き上げて保護するというかたちです。とりあえず(これ以上)増やさないように避妊手術を終わらせたい」
猫が大好きだというAさん。
手術を終えた猫と再び暮らせる日はくるのでしょうか?
北海道後志総合振興局 半沢元洋さん:「こういう多頭飼育崩壊も含めて、猫の相談はかなり来ています。減ってはいないです。我々は今後飼い方の指導とか、役場や民間団体(ボランティア)との連携とかそういうことで役割を果たして、こういう問題を解決したいと思っています」


大門みゆき獣医師は、「飼ったらすぐに不妊手術を」と話す

獣医師「飼ったら不妊手術を」
この日、Aさんの家から保護された7匹は、役場の職員の自宅に作られた簡易的な手術室で、健康チェックを受け、そのほとんどが、避妊・去勢手術を受けます。
2017年、北海道で初めて野良猫や保護猫などの不妊手術専門クリニックを開業し、地方へ出張手術も行う大門獣医師は、猫の飼育には、不妊手術が大切だといいます。
モービルペットクリニック 大門みゆき獣医師:「飼った以上は、責任を持って不妊手術をすることが一番大事だと思います。2、3匹だからいいやと思っていても猫は本当にあっという間に増えちゃうので、飼った時点で不妊手術を」
北海道によると、北海道の猫の殺処分は減少している一方で、ここ数年の猫ブームで猫を飼う人が増え、飼い主への適切な指導が行われていないケースも多いといいます。
北海道環境生活部 北村浩樹担当課長:「飼い主のいない猫、野良猫の引き取りが多いということもありまして、不妊、避妊を行っていないような状態の家庭で生まれた猫につきましても、引き取りが多くなっているのが現状です」


ツキネコ北海道 吉井美穂子代表は、「ネコ多頭飼育崩壊について、一般の方も向き合うところにきている」と訴える

「表面化はごく一部。死ぬほどある」
地域の中で埋もれやすい猫の多頭飼育崩壊。
問題が表面化するのは、ごく一部だと吉井さんはいいます。
ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「問題はすごく根深いと思います。まだまだ眠っている問題もあって、(多頭飼育崩壊は)ほんとに掘り起こしたら死ぬほどあると思うので、一般の方も含めて向き合うところにきているのかなと」
今回取材した京極町のAさんの家からは、現在12匹の猫が救出され、ほとんどが避妊手術を終えていますが、それでもまだ20匹あまりが救出を待っている状態です(3月21日現在)。
猫や犬を飼い始める前に今一度、適正な飼育方法を学び少しでも不幸な命を減らすことが大切ではないでしょうか。

動画 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180331-00010000-hokkaibunv-hok




Viewing all articles
Browse latest Browse all 3575

Trending Articles