大規模な山火事で残されたワンコと奇跡の再会
2017年12月14日(木) @DIME
2017年10月、カリフォルニア州ナパ・カウンティやソノマ・カウンティを中心に発生した大規模な山火事。
カリフォルニアワインの産地でも知られるナパヴァレーも壊滅的な被害を負った。
近隣に住む人々の安否はもちろんだが、多くの愛犬家・愛猫家はワンコやニャンコの安否も気になったことだろう。
サンタ・ロサに住むジャック・ウィーバーとその家族は、この火事から避難を余儀なくされた。
ジャックは家族を乗せた車を飛ばして避難した。
しかしイジーがいない。
バーニーズ・マウンテンドッグ、9歳の女の子だ。
迫りくる炎の中、一秒でも早く逃げなければならなかった。
燃える橋を渡り、ただ炎から逃れるためには後戻りすることができなかったのだ。
ウィーバー家は、家も失い、あらゆる物をこの火事によって失ってしまったが、ジャックの母、キャサリン・ウィーバーにとってはイジーを失ってしまったということほどショックなことはなかった。
火事から1日半たった火曜日、ジャックと彼の義理の弟のパトリック・ワイデンは、「奇跡が起こっているかもしれない」と一縷の望みを胸に、完全に焼け落ちてしまった我が家へ向かう。
二人はサンタ・ローザ近辺を隈なく探し回った。
ジャックの心の中は、「もしもイジーが亡くなっているのであれば、第一発見者が母親ではあってはならない。」と考えていた。
街の景色は、以前とは比べ物にならないくらい変わり果てていた。
まだ煙の残る街。
その中を「イジー!イジー!」と大きな声で叫ぶ。
イジーに気付いてもらえるよう手を叩いて音を立てたり、口笛を吹いたりしながら必死に探す二人。
ジャックとパトリックは、警察のバリケードの周囲を約4.8kmにも歩き、イジーを探す。
諦めるしかない。
そう思っていた二人は軽く言葉を交わす。
その直後、二人の心の中が一瞬にして明るくなる。
残った木の茂みからイジーが出てきたのだ。
「イジーがいたぞ!」
「イジー!」「イジー!」
「おいで、イジー!」
「よかった!ああ、よかった!」
イジーは怪我も火傷も負っていなかった。
後に診察した獣医師によると、「イジーの厚い被毛が火事から身を護ったのだろう」とのことだ。
ジャックは、「この火事で多くのものを失った。でもイジーがここにいてくれる。イジーは火傷もしていなかったんだ。イジーがいてくれるというだけで、僕たち家族の気持ちは前向きになれるんだ。」と語った。
このような自然災害や緊急時に、愛犬・愛猫をどのように護ることができるか、改めて日頃から考えて準備しておかなければならないと痛切に感じた。
文/織田 浩次
犬2匹、火災から懸命の救出 滋賀、小屋に取り残され
2017年12月14日(木) 京都新聞
12日未明の火災で助け出された犬2匹。背中などに火災で焼けた跡がある(長浜市東上坂町)
滋賀県長浜市東上坂町の車両置き場で12日未明に発生した全焼火災で、現場敷地内に飼い犬2匹が取り残され、長浜消防署員が救出を手助けしていたことが分かった。
署員らは「小さな命が助かって良かった」と胸をなでおろしている。
火災は同日午前2時半ごろ発生、木造平屋約75平方メートルが全焼し、乗用車8台が焼けた。
長浜署によると、当時は無人で、けが人はなかった。
長浜消防署によると、犬2匹は車両置き場管理者の親類男性が飼っており、火災当時は建物北側の壁に沿って金網で囲った畳2畳分ほどの犬小屋にいた。
消火作業をしていた消防隊員らが犬の鳴き声を聞き、火の勢いが収まった午前3時半ごろに救出に向かい、犬小屋の金網を曲げて脱出口を作り、飼い主の男性が助け出せるよう支援した。
犬は背中の毛が焼けるなどしたが、元気だという。
救出に向かった一人で、同消防署の瀧口太副署長(54)は「火災現場での犬の救出事例は珍しい。戌(いぬ)年の来年に向けて、防火活動の大切さを一層、呼び掛けていきたい」と力を込める。