ぶさかわ犬「わさお」の飼い主の菊谷さん死去
2017年11月30日(木) 東奥日報
町特別観光大使に任命されたわさおと笑顔を見せる在りし日の菊谷さん=2010年撮影
青森県鯵ケ沢町の人気犬「わさお」の飼い主として知られる菊谷節子(きくや・せつこ)さんが30日午前0時21分、間質性肺炎のため弘前市内の病院で死去した。
73歳。
同町出身。
通夜に当たる告別前夜祭は12月8日午後6時から、葬式に当たる告別祭は9日午前11時から、ともに同町本町209の2、町山村開発センターで。
喪主は長男忠光(ただみつ)氏。
菊谷さんは2007年秋、同町の海の駅わんど周辺に捨てられていた長毛秋田犬の子犬を保護し、周囲の勧めで飼い始めた。
この犬が08年5月、「ぶさかわ犬のわさお」としてインターネットのブログで紹介され一躍有名になり、わさおのお母さんとして知られるようになった。
わさおとともに町内外のイベントや行事のほか、メディア出演やボランティア活動も熱心に参加。
11年には、俳優の薬師丸ひろ子さんが菊谷さんの役を務めた映画「わさお」が上映されるなど、わさおとともに全国区の人気を博した。
今年11月23日には、町の知名度向上や町経済の発展に貢献したとして、町から功労章を贈られた。
わさおの活動を支援する同町のグループ「わさおプロジェクト」の工藤健代表は菊谷さんの人柄を「朗らかでおおらか。つらいことも笑い飛ばして前に進むことだけを考える人だった。わさおとは、親子のような相棒のような強い絆で結ばれていて、2人をつなぐひもがへその緒のように感じたこともある」と話し、訃報に肩を落とした。
工藤代表によると、わさおは今後、菊谷さんが営んでいたイカ焼き店のスタッフらが世話をするという。
工藤代表は「昼は店、夜は自宅というのは今までと変わらない。活動も今まで通り続けると思う。節子さんもそれを望んでいるのでは」と話した。
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秋田犬「わさお」の飼い主の菊谷さん死去
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