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スズメバチから幼児を守った犬

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白岳自然公園の看板犬 スズメバチから幼児らかばう
 悲鳴で駆けつけ、自ら標的に

2017年10月28日(土) 長崎新聞社


子どもたちとの触れ合いを楽しむロン=佐世保市、白岳自然公園

長崎県佐世保市江迎町の白岳自然公園では、ボーダーコリーのロン(オス、8歳)が看板犬として来園者を迎えている。
1日に近くの山で登山客がスズメバチの群れに襲われた際には、身をていしてかばい、客を避難させた。
飼い主で公園の所長、横松賢一さん(62)は「人を気遣うことができる犬だが、ここまでするとは思わなかった」と愛犬の勇気ある行動に驚いている。

「ワンちゃんだ。かわいい」。
夕日が木々を金色に照らし始めた9日午後5時前。
公園で遊び終わった家族連れがロンの元に駆け寄った。
体を触ったり体の上に乗ったり。
思いのまま触れる子どもたちを穏やかに受け入れていた。
生後3カ月から看板犬を務めるロン。
子ども好きな優しい性格で人気を集めてきた。

横松さんによると、登山客がスズメバチに襲われたのは1日午前11時ごろ。
幼児や小学校低学年の親子連れ約20人が参加していた。
下山ルートを探そうと草地に足を踏み入れた際、地面から約50匹のスズメバチが湧き上がった。
子どもたちは悲鳴を上げてパニック状態に陥った。
ロンはすぐさま駆けつけ、ハチを追い払おうとした。
次第にハチの標的は黒色の毛を持つロンに。
参加者はその間に離れた場所に避難をできたという。
6人が足や首、頭などを刺されて救急車で運ばれたが、命に別条はなかった。
ロンが刺されたのは20カ所以上。
治療を受けたが約1週間にわたって食欲不振や嘔吐(おうと)が続いた。
横松さんは「子どもが刺されたこと自体いいことではない」としながらも、「『何をしてるんだ』という怒りで立ち向かったのだろう。ロンがいなかったらと思うとぞっとする」と振り返る。
傷を受けた後も看板犬として変わらず来場者を歓迎するロン。
横松さんは「ロンは子どもたちが来てくれることが喜び。ぜひ遊びに来て」と呼び掛けている。


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