真っ黒キツネを撮影 遺伝子変異?昔からいた? 北海道
2017年10月8日(日) 朝日新聞
斜里町で撮影された黒いキツネ=知床博物館提供
知床半島の斜里町で先月、全身が黒いキタキツネが撮影された。
知床博物館(斜里町)が町内の山あいに設置した自動撮影カメラに9月23日午後3時ごろ、道路を行き来する姿が映っていたのを、今月2日に確認したという。
同館の村上隆広学芸員(47)は「最初は犬だと思ったが、しっぽがやけにふさふさしているなと思ったらキツネだった。10年ほど勤めているが、全身が真っ黒なキツネは初めて」と驚く。
村上学芸員によると、自然界の遺伝子変異でたまたま現れた可能性のほか、大正時代から昭和時代にかけて毛皮目的でカナダなどから輸入された黒いキツネが野生化し、その遺伝子が受け継がれた可能性が考えられるという。
一方、道立衛生研究所医動物グループの浦口宏二主幹(59)によると、アイヌ語で「黒キツネ」を表す言葉がいくつかあるという。
浦口主幹は「黒いキツネは、昔からいた可能性もあるが、ごくまれ。私は30年ほど野外でキツネの調査をしているが、2回しか見たことがない」と話していた。
哺乳類の進化史を研究している北海道大学大学院地球環境科学研究院の鈴木仁教授(60)は、黒毛の理由について「これまで本腰を入れて調べられたことがなく、現時点ではわからない」という。
「今後、道内のキツネの遺伝子を解析して調査したい」と話している。
(天野彩)
【動画】9月下旬、北海道斜里町で撮影された黒いキタキツネ=知床博物館提供
また出た!黒キツネ 北海道・大樹町で目撃 意外に近くにいる?
2017年10月11日(水) 十勝毎日新聞
大樹町内で目撃された黒いキツネ(出貝光基さん撮影)
大樹町で黒いキツネが目撃され、その姿が写真に収められた。
撮影したのは同町老人デイサービスセンターの運転手出貝光基さん。
6日午前9時50分ごろ、利用者の送迎中に発見した。
同センターの職員山口潤さんによると、付近では昨年からたびたび黒いキツネが目撃されていた。
山口さんは「最初はタヌキや犬ではないかとみんな信じなかったが、そのうち見かける職員が増えた」と言う。
黒いキツネは9月に知床博物館(オホーツク管内斜里町)の自動カメラでも撮影され、全国的に話題となったが、十勝では過去に何度か目撃されている。
帯広百年記念館の池田亨嘉学芸員は「研究がないので黒い個体がどの程度いるかは不明だが、遺伝的多型の一つとして昔からいたと考えられる。最近、目撃情報が多く、意外と多くいるという印象」と話す。
キタキツネは人間にも感染する寄生虫エキノコックスを媒介するため、むやみに近づいたり、触ったりするのは危険。
(眞尾敦)