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小池知事「犬の殺処分ゼロ」宣言に愛護団体が政治利用と批判

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小池知事「犬の殺処分ゼロ」宣言に愛護団体が政治利用と批判

2017年7月3日(月) NEWSポストセブン



「犬の殺処分ゼロ、実現いたしました。やりました。私の知事選からの公約でもあるんですけれども、これを都として達成いたしました。ワンちゃんのほうです」
6月1日の記者会見で小池百合子・東京都知事が発表したのは、東京都の犬の「殺処分ゼロ」を達成したという「成果」だった。
スライド資料には〈都民ファーストでつくる「新しい東京」~2020年に向けた実行プラン〉として、2019年度までに猫も含めた殺処分ゼロを目指すとも掲げた。
都の福祉保健局健康安全部環境保健衛生課は、ゼロ達成の背景をこう説明する。
「都の2015年度の(犬猫の)引き取り数は1772頭で10年前の5分の1以下になっています。そうなることで今までやむなく致死処分にしていた犬猫に必要な処置ができるようになり、処分をする必要がなくなってきているわけです」
都民ファーストの会の公約でもある「殺処分ゼロ」が、さっそく達成されたというのなら、都内の動物愛護関係者にとっても朗報かと思いきや、こんな声が上がっている。
「今のままでは選挙の人気取りに犬猫を利用しているようにしか思えません」
そう話すのは、動物愛護団体SALAネットワークの谷野加寿美代表だ。
「“殺処分ゼロ”は、ボランティア頼みの上で成り立つゼロなんです。殺処分を免れたことになっている犬猫のほとんどは都に登録するNPOなどの『譲渡対象団体』が引き受けて、里親を捜している状態。ブリーダーやペットショップの規制など、もっと根本的な政策が必要だと思うのですが、そちらはない。このままでは、選挙のための耳触りのいい目標でしかないと思います」
都に確認すると、「正確なデータはありませんが、収容された犬猫の譲渡先は個人よりも『譲渡対象団体』がほとんどです」(前出・環境保健衛生課)との説明だった。譲渡対象団体として登録している特定非営利活動法人アルマはこう話す。
「私たちは東京都から年間40~50頭の犬猫を引き取っています。里親が見つかりにくい高齢犬が多く、運営には餌代、医療費もかかりますが、寄付と独自の収益事業でまかなっていて都からの助成金などは現状、一切ありません。もっともこれまでの知事とは違って、殺処分について公約に掲げてくれた小池知事が今後具体的に何をしてくれるのかは期待していますが・・・」
ちなみに、小池知事が“ゼロ達成”と発表したのは、2016年度の数字で知事就任前の成果が含まれている。飼い犬に「ソーリ」と名付ける愛犬家だけに、功を焦ったのか。
無駄吠えにならないといいのだが。

※週刊ポスト2017年7月14日号


都議選で都民ファーストが圧勝

2017年7月3日(月) 日刊県民福井


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