犬の殺処分9カ月間ゼロ
2013年3月27日 中国新聞
広島県神石高原町で保護した犬の殺処分ゼロが、昨年7月から約9カ月間続いている。
25日までに保護した50匹のうち22匹が、新しい飼い主たちに引き取られた。
町は迷った犬や野犬、飼えなくなった犬の相談を受けると、NPO法人ピース・ウィンズ・ジャパン(東京)が町内で運営する災害救助犬訓練センターを一時保護先として紹介。
ワクチンの接種費用などを負担し、センターによるフェイスブックの情報発信やイベントを通じて飼い主を探している。
これまでに15匹が新しい飼い主、7匹が元の飼い主に引き取られた。
生後2カ月の雌を引き取った同町の理容師池田美貴雄さん(63)は「『ひめ』と名付けた。
他の犬も安心できる行き場が見つかってほしい」と願う。
ただ飼い主探しは簡単ではない。
訓練センターの大西純子センター長代行は「予想以上に保護する数が多い」と嘆く。
今月は、保護の長期化に備えて25匹程度を収容する犬舎を新たに建てた。
町は取り組み以前、全ての犬を県動物愛護センター(三原市)に引き渡していた。
2011年度は61匹だった。
個別のケースは不明だが、愛護センターが11年度に引き取った1937匹のうち、約85%が殺処分されている。
【写真説明】ひめに自宅で餌を与える池田さん