殺処分生き延びたネコが“所長代理”
「ペットの面倒、最後までみてニャン」 啓発に大活躍 大阪府犬管理指導所
2013.11.24 産経ニュース 〔いきもの万歳〕
大阪府犬管理指導所で所長代理を務める猫の「にゃん吉」と堀越敬之所長
=大阪市東成区(志儀駒貴撮影)
野良犬や野良猫、飼い主が飼えなくなったイヌやネコを収容する大阪府犬管理指導所(大阪市東成区)で、“所長代理”を務めるオスネコ「にゃん吉」が活躍している。
けがをして保護され、殺処分の対象だったが、人なつっこい性格が幸いして指導所で飼われることに。
現在は府のブログにも登場し、全国で年間10万匹を超え、府内でも年間約2500匹に上るイヌやネコの殺処分を減らすための啓発に一役買っている。
にゃん吉は今年2月、大阪府貝塚市内で、あごの骨が折れた状態で見つかり、大阪府警貝塚署が保護。
交通事故に遭ったとみられるが飼い主は現れず、同月25日、指導所に移された。
堀越敬之所長(58)によると、にゃん吉は2歳前後。
成猫は新しい飼い主や環境に慣れづらいこともあり、殺処分対象だったが「珍しいくらい人なつっこい性格で新しい環境にもすぐに慣れた」といい、指導所で面倒をみることが決まった。
にゃん吉が所長代理に“就任”したのは7月半ば。
堀越所長の夏休み中、所長の机に堂々と寝そべる姿を見た職員の伊勢川京子さん(51)が任命した。
9月には伊勢川さんが書く府庁ブログに「僕が犬管理指導所のお仕事を皆さんに紹介していくので、よろしくお願いしますにゃん」と初登場。
殺処分されたイヌやネコの慰霊祭の様子を紹介し、「動物を飼ったら最後まで責任を持って面倒をみてほしいにゃ」と呼び掛けている。
最近は来客にも愛想がよく、収容されているイヌに甘えられても嫌がらない大物ぶりだ。
環境省によると、平成23年度に飼い主らから全国の地方自治体が引き取ったイヌやネコは約22万匹。
うち約17万5千匹が殺処分された。
府内では、同指導所によると昨年度に保護されたイヌは782匹でうち411匹が殺処分、ネコは2405匹が保護され、2078匹が殺処分された。
中には高齢になったイヌ・ネコの介護ができないとして処分を依頼する飼い主も少なくないという。
捨てネコの可能性があるというにゃん吉は、今でも当時のけがが原因であごがゆがんだまま。堀越所長は「にゃん吉の姿を通して、安易な気持ちで動物を飼う人や、簡単に捨てる人が減ってくれれば」と願う。
環境省は今月20日、イヌやネコの殺処分を減らすことを目指す「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」を発足。
今後は海外の専門家や自治体担当者と意見交換を重ね、来年5月にも具体的な計画をまとめる方針だ。
ちなみに、大阪府の平成23年度の猫の殺処分数は、全国で最多です。
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地球生物会議ALIVE
全国動物行政アンケート調査報告H23年度版
http://www.alive-net.net/companion-animal/hikitori/gyousei_enquete/H23-gyousei-anke.htm