売上好調でも「ペットショップ」を辞めた理由
2017年4月12日(水) オルタナ
竹堂社長と保護犬のニーナ
20年以上地元に根付いたペットショップを運営してきたAuxi(アークス、千葉県千葉市)は昨年7月からペットの生体販売と繁殖を辞め、保護犬・保護猫の譲渡に切り替えた。
事業は好調だったが、ペットショップを辞めた理由は、「子犬や子猫の繁殖の残酷さ」に従業員から疑問の声が出てきたことがあるという。
(オルタナS副編集長=池田 真隆)
生体販売していたコーナーは譲渡コーナーへ変えた。
動物病院、ペットホテル、トリミングサロン、フードなどペット用品の販売・老犬老猫ホーム、 アニマルシッターなどを一つの複合施設としても運営している。
同社では、「ペットのジャングル」という名称の店舗を千葉県内で運営していた。
いまでは、「アニマルライフ」と店舗名を変えて、生体販売に代わって自社で動物愛護センターから引き取った犬猫たちの譲渡活動(里親探し)を行っている。
同社の竹堂佳紀社長は、生体販売から切り替えたことについて、「経営は容易ではなく、 模索の日々ですが、ペットショップを卒業したことに後悔はない。 正しい決断だったと考えている」と言い切る。
現在、日本全国で飼われている犬や猫の数はおよそ1979万頭(犬は992万頭、猫は987万頭)と推計されている(平成27年 一般社団法人ペットフード協会調べ)。
そのうち1年間に自治体の保健所や動物愛護センター等に引き取られる犬や猫の数は、年間およそ13万7千頭にのぼる。
犬は 所有者不明の成犬が多く 猫は所有者不明の幼齢猫が多くを占めているという。
自治体に引き取られた犬や猫で返還・譲渡されているのは年間約5万頭。
その割合は年々、 増加してきていはいるが、引き取られた犬や猫の約6割はやむなく殺処分されている。
同社ではこのたび、千葉保護指導センターからの引き取りを行い、運営する「アニマルライフ南行徳店」「アニマルライフ千葉本店」で里親探しを行う。
竹堂社長は、「千葉県内の殺処分をゼロにしたいと願っている」と意気込む。
里親会は4月15日10時から、「アニマルライフ南行徳店」「アニマルライフ千葉本店」で開催する。
千葉本店では愛犬・愛猫撮影会、南行徳店では保護猫写真家ねこたろう氏による写真展、バルーンアート、似顔絵師による愛犬・愛猫の似顔絵描きなども行う。