10月30日(水)に県小学生読書感想文コンクールで知事賞と県教育委員会賞をブログに掲載しましたが、その図書「東日本大震災・犬たちが非難した学校 捨て犬・未来命のメッセージ」は、以前ブログで「犬たちをおくる日」をご紹介しました著者「今西乃子」さんです。
今西乃子さんは今まで多くの著書を出していますが、どれも心に残る素晴らしい著書ばかりです。
私の新刊 『捨て犬・未来 命のメッセージ』 今西乃子
「命」と「支援」を考える
人間に虐待を受け、障がいを負わされ、殺処分寸前で救われた犬・未来を描いたノンフィクション『命のバトンタッチ 障がいを負った犬・未来』が2006年に刊行されてから6年が過ぎました。
本書は「捨て犬・未来」シリーズ4冊目となります。
テーマは東日本大震災─。
地震直後、私はある支援を申し出ましたが、その行動は被災地から見ればあまりにもお粗末で、ひどいものでした。
支援とは大変難しいものだと思います。
時間的なものとか、物質的なことを言っているのではありません。
支援に最も大切なのは「相手の心」を知る、ということだからです。
困っている誰かのために何か役に立ちたいと思っていても、相手の力にならず、相手から必要とされなければ、それは支援でも、応援でもありません。
被災者と被災しなかった者が、未曽有の大災害の中で同じ人間としてどう絆を繋ぎ、互いを尊重しあうべきなのでしょうか。
こうして震災から1年近くが過ぎた後、ようやく私にも被災地と自分を正しく繋ぐチャンスが巡って来ました。
きっかけをくれたのは、東日本大震災の被災地、宮城県の中学校長です。
宮城県東松島市矢本第一中学校の校長千葉和彦先生(当時)から一通のメールが私のもとに届きました。
「未来ちゃんを是非、この学校にお呼びしたいのです」
千葉校長は、震災後、避難所となった自分の学校に、犬・ねこ同行避難を許可した先生です。
そして、そのチャンスを「被災地への応援メッセージ」として生徒たちに届けてくれたのが犬の未来だったのです。
被災地である中学校と被災しなかった私─。
この双方が大地震直後、何を考え、どう具体的に動いたのかを、本書では展開していきます。
被災地から帰る時、被災地の女子生徒が、犬の未来にこう言いました。
「未来ちゃん! 被災の経験がない子どもたちにこそ、命のことをもっと伝えて! ちゃんと教えて!」
犬の未来は、「わかったよ!」と返事をしたことでしょう。
その未来と女子生徒の約束を果たすため、本書がこのたび世に送り出されることになったのです。
「命」そして「支援」とは何なのかを考える、大きなキッカケになってくれることを願っています。
(いまにし・のりこ)
岩崎書店
東日本大震災・犬たちが避難した学校『捨て犬・未来 命のメッセージ』
今西乃子・著 浜田一男・写真
本体1,300円
既刊に『犬たちをおくる日』『捨て犬・未来と子犬のマーチ』『ゆれるシッポの子犬・きらら』など多数。
皆さん、是非購読してください。