住民で世話する「地域猫」 全保健所管内に誕生(和歌山)
2016年11月19日 朝日新聞
餌やトイレを住民で管理する地域猫=新宮市内
野良猫の殺処分を減らすため、県の承認のもとで飼い猫以外の猫を住民たちで世話する「地域猫」の制度で、このほど県内の全保健所管内にこの取り組みをする地域が誕生し、全県的な広がりとなっている。
餌やりや排泄(はいせつ)について管理計画を作った住民らに対し、県が不妊去勢の手術費用を助成する仕組み。
野良猫に迷惑している人、かわいそうな猫を何とかしたい人の双方に配慮した制度で、餌やりと不妊去勢を組み合わせることで野良猫が増えるのを防ぐ。
改正県動物愛護管理条例の来春施行に先んじて、県が今年度、事業を始めた。
6月に田辺市で最初の承認地域が誕生したのに続き、和歌山市、岩出市などと広がり、今月、保健所単位では最後となる新宮保健所串本支所管内の串本町に41番目の地域が誕生した。
新宮市王子町地区の女性は「同じ生命。処分はかわいそう」と考え、今夏から知人とともに野良猫だった4匹の世話をしている。
うち3匹は県助成金で不妊手術を済ませた。
同じく新宮市神倉地区の男性はこの女性の紹介で県制度を知り、10月から不妊手術を済ませた猫3匹に餌を与えている。
「世話をすれば長生きしてくれる」と言う。
県はさらに地域猫を広めようと、19日午後1時半から和歌山市の県民文化会館で、20日午後1時半から上富田町の上富田文化会館で、これから地域猫の世話をしたい人向けのセミナーを開く。
申し込み不要。
新宮保健所では12月8日午後1時から同内容のセミナーを催す予定。
(東孝司)
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