<猫の島>200匹不妊手術へ 香川・男木島、増えすぎで
20165月17日(火) 毎日新聞
観光客の人気になっている男木島の猫=2015年8月1日午後1時1分、玉木達也撮影
“猫の島”として有名になった香川県の男木(おぎ)島で、野良猫が増えすぎたため、全ての猫に不妊手術をすることになった。
瀬戸内海に浮かぶ島に住む猫の総数は、人口約180人を上回る200匹以上。
ふん尿や農作物の食い荒らし、漁網を破るといった被害が続き、島民や観光客から苦情が相次いでいる。地元の男木地区コミュニティ協議会が理事会で手術を決め、6月から高松市の動物愛護団体が取りかかる。
協議会によると、猫は十数年前から徐々に増え、インターネットを通じて知られるようになった。
約3年前に著名な写真家が著書で紹介してからは、猫目当てで島を訪れる人も増えた。
観光客らが餌をやることで繁殖がさらに進み、被害が増え始めた。
やせ細り、病気の猫も目立つという。
協議会は今年4月、高松市のNPO法人「BONにゃん」(長町満里子代表)に相談。
猫の増加を防ぐため、理事会の全員一致で不妊手術の受け入れを決めた。
猫の不妊手術を担う公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)が資金を援助。
3人の獣医が6月1日から島を訪れ、ノミ・ダニの駆除や健康診断も行う。
協議会の木場健一会長(68)は「猫に罪はなく、増やした人間に責任がある。これ以上増やせないが、今いる猫の命と健康を守りたい」と話している。
【伊藤遥】
公益財団法人「どうぶつ基金」
https://www.doubutukikin.or.jp/
理事長ごあいさつ
殺処分ゼロが見えてきた 100万頭から10万頭へ
どうぶつ基金がうまれた1988年当時の日本では、70万頭の犬と30万頭の猫、合計約100万頭の犬や猫が殺処分されていました。
どうぶつ基金では、そんな状況を改善して、人と犬や猫が殺処分なく幸せに共生できる世の中に変えるために、こつこつと見捨てられた犬や猫の保護と里親探しを行い、ねこの不妊手術(さくらねこTNR)を全国各地でおこなってきました。
あれから28年、平成26年度の殺処分数は、10万1338頭にまで減少しました。
なかなか減らなかった猫の殺処分数は7万9745頭となり、ついに10万頭を切りました。
どうぶつ基金では発足当初から「行政による犬や猫の殺処分ゼロ」の実現をめざしてきました。
当時は夢物語と笑われてきましたが、今では政府も「2020年オリンピックまでに殺処分ゼロ実現」を視野にプランを挙げています。
皆様の温かいご支援のおかげで平成26年度は8262頭の不妊手術を行うことができました。
また世界自然遺産登録を目指す鹿児島県徳之島では絶滅危機にあるアマミノクロウサギを猫が捕食している事が発覚、どうぶつ基金では徳之島に住む推定3000頭の猫すべてに不妊手術を施してウサギも猫も殺さずに生物多様性をまもる共生プラン「徳之島ごとさくらねこTNRプロジェクト」を立ち上げ獣医師団を派遣、すでに1976頭の不妊手術を終えたさくらねこがうまれました。
共に歩んで下さるボランティアや獣医師の皆様、ご支援をいただく皆様、内閣府、環境省をはじめとする各行政の皆様に心よりお礼申し上げます。
公益財団法人どうぶつ基金
理事長 佐上邦久
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