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難病克服、愛犬がセラピー犬に認定

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難病の福井男性、愛犬とセラピー慰問 認定受け「癒し力」おすそ分け

2013年8月17日(土) 福井新聞


「癒やしを届けたい」と話す北川さん夫妻と認定セラピー犬ラッキー=福井新聞社

筋力が低下する難病を患う福井市の北川順一さん(41)が、「セラピー犬」として認定を受けた愛犬ラッキーと、福祉施設を巡るボランティア活動を始めた。
つらいリハビリ期間中、幾度も愛犬に癒やされた。
職場復帰できるまで症状が回復した北川さんは「自分がもらった元気を、ほかの人にも届けたい」と新たな目標を見いだしている。

北川さんは、体力の低下を感じ、重症筋無力症との診断を受け2010年11月に入院した。
神経と筋肉のつなぎ目の障害から筋力が著しく低下する難病で、1年半後に退院。
自宅で近所を散歩するなどのリハビリ生活を送っていた。
少し歩いただけでつらくなる疲れやすい体。
精神的に不安定になる中、昨年6月に家族の勧めで、生後1カ月半のラッキーを飼い始めた。
ラッキーはシバイヌとキャバリアのミックスの雄。
すくすくと成長し、なつく姿に励まされてリハビリを続け、ことし4月には発症前に就いていた同じ職場で仕事ができるまでに症状は回復した。
その後、通院する病院で、体の不自由な子どもたちがラッキーとじゃれ合い、笑顔を見せる様子にハッとさせられた。「自分だけでなく、もっと多くの人に元気を届けられるのでは」と活動の道を調べ、セラピー犬の存在を知った。
国内に複数の認定団体がある中、6月に神奈川県に本部のある「日本アニマルセラピー協会」の試験を受けた。
ラッキーは「誰に体のどの部分を触られても嫌がらない」「人の多い場所でもほえない」など適性を審査され、北陸3県では第1号の合格となった。
全国では約350匹が認定されている。
北川さんとラッキーは7月に坂井市丸岡町のデイサービスセンターで初めて活動。
お年寄り30人が輪になり、ラッキーの頭をなでたり、投げたボールを取ってきてもらった。
参加した女性(87)は「おとなしくて手に前脚をちょんと乗せてくれてかわいかった」と笑顔を見せた。
施設の担当者は「普段、笑わない人も自然と顔がほころんでいた。また来てほしい」と話す。
北川さんの妻の広美さんは「ラッキーと過ごし始めてからの夫の回復ぶりは、医者も驚くほど。
どこの施設に行って、どんな活動をしようかと毎日考え、生き生きしている」と話す。
ラッキーと出会い、人生が変わったという北川さん。
たくさんの人に笑顔になってもらおうと、新たな目標にラッキーとともに歩み始めた。


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