ごみを拾う犬「もも子」 在りし日をしのぶ写文集
2016年3月3日(木) sippo(朝日新聞)
本の表紙にもなった子どもの頃のもも子
「ゴミを拾う犬」として10年ほど前に注目を集めた雌のゴールデンレトリバー、もも子。
彼女と過ごした日々を、飼い主の中野英明(えいみょう)さん(68)が文章と写真でつづった本「ごみを拾う犬 もも子」(ハート出版)がこのほど、新装改訂版となって10年ぶりに出版された。
写真を大幅に増やし、後日談も盛り込んだ。
中野さんは盛岡市の隣の紫波町にある蟠龍寺(ばんりゅうじ)の住職。
もも子を生後40日ほどで引き取り、2006年に13歳5カ月で亡くなるまで過ごした。
もも子がゴミを拾うようになったのは、生後10カ月から。
ある日の散歩中、ゴミを拾おうとした中野さんが川へ落ちた。
助けようと水に入ったもも子は、主人が無事だと分かると、拾おうとしていたゴミをくわえてきた。
それを褒められて以来、散歩の時は、ビン、缶、ペットボトル、ビニール袋など、人工物のゴミだけを拾うようになった。
もも子は地元の子どもたちの人気者となった。
その活動は数多くのテレビや新聞に取りあげられ、全国初となった町の「ごみポイ捨て禁止条例」制定に結びついた。
後に岩手県環境啓発ポスターにも登場した。
本には、もも子と暮らした中野家のほかの犬猫たちも登場。
中野住職の写したカラー写真約70点が楽しめる。
初版はもも子の死の3カ月前に発売されたため、改訂版では、彼女が最後までゴミを拾い続けたことを記した。
また、もも子が眠るペット墓地を造成したことや、東日本大震災の被災地での中野住職らのペット支援についても触れた。
編集者の日高裕基さんは、「いまだに寺には全国の子どもたちから本の感想が届く。その後を知りたいという声も多かったので、後日談を加筆した。年配者からの反響も多かったので、児童書ではなく幅広い読者層向けに改訂した」と話す。
【写真特集】ごみを拾う犬 もも子
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ごみを拾う犬「もも子」書籍改訂版
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