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Channel: 動物たちにぬくもりを!
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書籍「老猫と歩けば」

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老猫と歩けば


老猫との暮らしは、とびきり可愛くて、ちょっぴりせつない――。
視力を失い、ジャンプもできない、トイレも粗相ばかり・・・。
老いて日に日に「猫らしさ」を失っていく我が家の黒猫・タンゴ(16歳)。
でも、意地でも幸せに、楽しく暮らしてやる!
そう、最期の瞬間までずっと楽しく、一緒にね。
飼い主が大切にすればするほど、長く愛らしく生きて、やがて老いゆく姿を見せる猫。
老いた猫と、どうしたら幸せに暮らせるの?
老猫飼いの困った!を解決し、後悔なく“その日”を迎えるための愛とせつなさに溢れた一冊。

著者:斉藤ユカ
出版社:幻冬舎
種類:単行本
価格:1,120円+税89円



実際「そのとき」を迎えないと、わからないことがたくさんあります。
猫を喪った心の穴は無理に埋めず、ずっと付き合っていくつもりです。
斉藤ユカさん ライター


17年連れ添った愛猫・タンゴの介護、看取りを経験したばかり。
著書に『老猫と歩けば。』(幻冬舎)など。

15年の10月13日、愛猫・タンゴを亡くした斉藤ユカさん。


「老いを目の当たりにしてから、介護も体験しましたし、頭では、遠くない将来タンゴとの別れが来るとわかっていたんです。でも、ヨボヨボしつつも元気に動いている様子を見ると、もしかしたらタンゴって特別な猫なのかも、という感じがしてしまって」
そして、10月11日の夜、タンゴが食事を受けつけなくなった。
「いつもの食欲不振かな?と思っていたのですが、やはり心配でしたから、翌日、病院に連れていこうと抱き上げたんです。そうしたら、保護したときと同じ顔をしていて。今となっては不思議なんですが、病院に連れていくのをやめよう、と思ったんです。限界なんだろうな、と感じたんですね。それからはあっという間で、亡くなるまで丸一日しかありませんでした」
老猫との暮らし方、看取りについての本を執筆していた斉藤さんだが、愛猫の死を体験しなければわからなかったことが、多くあった。
「タンゴがいなくなったら、夜がつらいんだろうな、と思っていたんですが、実際は朝のほうがつらくて。夜は友だちと飲みに行ったり、気を紛らす方法がいろいろあるんですが、朝はダメなんです。ずっと一緒に寝ていたので、隣にいないというのが考えられない。17年も一緒に暮らしてきたので、もういないんだということを忘れるんです。そのたびに落ちこんで。部屋に置いてある黒いものがタンゴに見えたり」
数カ月経った現在も、ふとした瞬間に強い寂しさが訪れるという。
「とはいえ、自分の溺愛ぶりから考えると、これでも軽く済んでいると思うんですよ。子猫のころから、『この可愛い一瞬を絶対に忘れないようにしよう』と目いっぱい愛情を注いできたのが、ある意味覚悟になっていたのかな。
よく、『猫であいた心の穴は猫でしか埋まらないよ』と言われるんですが、今は新しい子を迎えることは考えていません。これから、何かの縁で猫を迎えることもあるかも、とは思いますが、私の場合、タンゴの穴はタンゴ以外の猫では埋まらない、と感じてしまうんですよね。なので、これからずっと、この心の穴とうまく共生していけたらな、と思っています」


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