先日、CD/DVDレンタルショップで最近レンタル開始になった映画「おかあさんの木」のDVDを借りて観ました。
おかあさんの木
『おかあさんの木』(おかあさんのき)は、児童文学作家大川悦生が1969に発表した戦争を題材にした文学作品。
小学校の国語の教科書にも近年まで収録され、アニメ映画にもなっている。
2015年6月6日には終戦70年目の節目として実写版が映画化された。
現代―。
老人ホームに2人の役所の職員が訪れる。
土地の整備事業のため、7本の古い桐の木の伐採許可を取るためだ。
彼らを迎えた老婆・サユリは、時折朦朧とする意識の中で静かにつぶやく。
「あの木を切ってはならん・・・。あれは・・・おかあさんの木じゃ・・・。」
そう言って彼女は、戦時中の悲劇の物語を語り始めた―。
今から数十年前、ある家に「おかあさん」と七人の息子が暮らしていた。
やがて日中戦争を皮切りに日本が戦争に入ると自分の息子たちは次々に召集され、戦地へ赴いていった。
おかあさんは息子が出征する度に裏の空き地に桐を植え、息子が不在の間、代わりとなる桐に語りかけて息子たちを励まし続けた。
始めは出征をするからには手柄を立てるようにと願っていたおかあさんも、一郎が中国大陸で戦死し、遺骨となって戻って来たことをきっかけに、次第に手柄を立てるより無事に戻ってくることを願うようになっていった。
後に息子たちは全て召集をかけられ、戦争が終わっても誰一人戻らず、戦死または行方不明になっていた。
おかあさんは次第に体が衰えていったが、それでも息子たちの帰って来るのを心待ちにして、自分が植えた七本の桐の木に絶えず語りかけた。
しばらく経って軍人たちが次々に帰還する中、ビルマで行方不明になっていた五郎が片足を引きずった状態で家に戻ってきた時には、おかあさんは「五郎」と名づけた桐の木に凭れかかったまま息絶えていた。
語り終えた老婆・サユリは、瞳を閉じてあの言葉を繰り返す。
「あの木を切ってはいかん・・・あれは、おかあさんの木じゃ・・・。」
書籍
表題の『おかあさんの木』の他、戦争に関する作品等を収録した短編集になっている。
大川悦生、箕田源二郎(絵) 『おかあさんの木』 ポプラ社、1969年12月。
大川悦生 『おかあさんの木』 ポプラ社、2005年10月。
以 上
この映画、動物とは関係がないように思われるかもしれません。
しかし、映画の中で馬や猫が戦争に駆り出されるシーンがありました。
馬と飼い主(男性)、共に歩いていき遠ざかって小さくなっていくシーン、とても寂しさを感じました。
また、猫と飼い主(女性)、猫を抱きながら寂しそうに歩いていく姿に、おかあさんは言いました。「逃がしてやればいいのに・・・」
飼い主さんは言いました。「逃がしたら非国民、犯罪になる・・・」、飼い主さんは泣きながら歩いて去っていきました。
主演の「鈴木京香」さん、すばらしい演技で見入ってしまい泣けてしまいました。
今から10年前に上映された「男たちの大和」にも出演されここでもすばらしい演技でとても演技力のある女優さんだな、と感じました。
第二次世界大戦での日本の死者は、兵員 約230万人、一般人 約80万人、合計約310万人もの命がなくなったのです。
(日本の兵員のうち、 朝鮮・台湾の兵員犠牲者、 約5万人を含む。)
しかし、あまり表面に出ていない動物たち、数え切れない数の犬や猫が戦争に使われ犠牲になりました。
犬は軍用としてまた毛皮として、猫は毛皮・食料として・・・
以前ブログで紹介したことがありますが、テレビドラマ「犬が消えた日」に犬の悲惨な状況が映し出されています。
戦争というのは人間にとっても動物にとっても悲惨なものです。
人種・民族・宗教・思想・領土主張、などの違いから争いが起こる、情けないことです。
今年戦後70年ということで、メディアでは数々の戦争に関する内容が取り上げられていました。
この映画、若い人たちに是非観ていただき、どんなことがあっても戦争はすべきでない、悲惨な戦争を繰り返さない、そういう気持ちをもっていって欲しいと思います。
(Fujita)
中学生によるおかあさんの木の感想文です。
(クリックで拡大できます)
皆さん、観ていて泣けてくると思いますが、是非観てくださいね。