愛犬と防犯パトロール 60人の飼い主が登録(和歌山)
2015年10月14日 朝日新聞
発案者の吉増江梨子さん(右)と愛犬「もか吉」=和歌山市福島
犬の散歩中に地域の安全を見守ってもらおうと、和歌山市地域安全推進員会和歌山北支部(野畑久則支部長)が「防犯パトロール犬」の取り組みを始めている。
和歌山北署や住民と連携し、同署管内の9地区で実施。
すでに約60人の飼い主が参加登録しているという。
発案したのは、野崎地区の和歌山市立福島小育友会長の吉増江梨子さん(35)。
今年2月にあった紀の川市の小5男児殺害事件を受け、愛犬の「もか吉」の散歩中に出会うペットの飼い主らにパトロールを持ちかけたところ、同支部や警察の賛同を受けて制度化された。
防犯パトロール犬になった犬は、同支部から配られる黄色いバンダナをつけ、散歩しながら地域をパトロールする。
ルートや時間は、原則として犬と飼い主の自由にしているが、野崎地区では、それぞれの散歩ルートを地図に書き込み、子どもたちの通学路や遊び場を網羅できているか確認した。
不審者情報などがあれば無料通信アプリ「LINE」でお互いに知らせ、月に1度のミーティングで意見交換している。
愛犬「ジョイ」と登録した同地区の津村真由美さん(49)は「決まった時間に決まった場所でやる活動は負担が大きいけれど、これなら私たちにもできる」。
鳴滝地区の会長として長年見守り活動に携わってきた北野全美(まさよし)さん(79)も愛犬「タキ」と登録。「ワンちゃんと一緒にパトロールできたらええなあと思っていたのでうれしい」と笑顔で話した。
各地区に10枚ずつ配られたバンダナは増刷を予定しており、同支部はさらなる参加者を募集している。
吉増さんは「活動を始めてから、地域の人たちに『子どもたちが明るくなった』との声をもらった。ワンちゃんと楽しくお散歩している方なら誰でもできる活動なので、ぜひ参加してほしい」と話した。
問い合わせは和歌山北署管内各地区の会長か、同署(073・453・0110)へ。
(伊吹早織)