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富士山頂で保護、「富士男」と呼ばれた迷い犬「とんと」、カフェの顔に

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富士山頂で保護、「富士男」と呼ばれた迷い犬「とんと」、カフェの顔に 東京

2015年10月3日(土) 産経新聞


カフェのお客さんと愛犬をもてなす、とんと(中央)=台東区

都会になじみ1年で体重10キロ増。
富士山頂で保護され、「富士男」と呼ばれた迷い犬が、浅草でカフェを経営する夫婦に引き取られ1年が過ぎた。
「とんと」に改名。
夫婦の愛情を浴び、手作りご飯やおやつをモリモリ食べ、体重は約10キロも増え24キロ。
友達の犬猫もいっぱいできた。
旅行を楽しむなど、都会の生活になじんでいる。
(記野重公)

とんとが飼われているのは、台東区寿の「カフェ RoRoPaPa(ロロパパ)」。
ランチタイムが終わった午後3時ごろから、店に出て、お客さんやその愛犬たちを出迎える。
「ほかの犬、人間を怖がることはなく、おやつをめぐって争うこともない。おだやかな性格で、友達がたくさんできた」と、夫(59)はいとおしむ。
当初はカリカリのドッグフードしか食べなかったが、今は何でも食べる。
白飯にゆでたササミなどをまぜた妻(56)の手作りご飯はお気に入りだ。
白い和風柄のハーネス(胴輪)がよく似合う。
「ハーネスは季節ごとに変えるんですよ」と妻。
毎朝、妻が散歩に連れ出し、駒形橋から隅田川沿いを約40分かけて歩く。
夕方は夫と約1時間。
浅草の雷門、仲見世が近いが、「シャッターの開閉音だけは、まだなじめないようで、その場から逃げようとする。シャッターが多い仲見世を歩くのは、まだ無理かな」と夫は言う。
もう一つ、風が鳴る音が苦手だ。
取り残された富士山頂を思い出すのか、風の音が大きいと、散歩から早く家に帰ろうとするという。
夜は、以前から夫婦に飼われていた猫3匹のうちの「モグ」と一緒に寝るようになった。
楽しみは、毎月1回のカフェのお客さん、愛犬たちとの集い。
お台場、豊洲などで12、13匹が集まり、じゃれて遊ぶ。
千葉・九十九里まで遠出することもある。
6月には一泊旅行も体験した。
「楽しそうにするので、いろいろやってあげたくなる」と夫婦はあふれる愛情を注ぐ。
カフェの常連で、とんとを兄のように慕う柴犬「ヴァル」の飼い主の男性(43)は「オス犬同士なのに仲良くできるのは、とんとがもともとやさしいうえに、ご夫妻の穏やかな性格がうつったようだ」と、2匹が寄り添う様子に目を細める。
平成25年7月、とんとを富士山頂で保護した動物保護団体「RJAV被災動物ネットワーク」(昭島市)の佐藤厚子代表(55)は「音を怖がるので、都会では難しいかもしれないという心配もあったが、最高の飼い主に育てられ、幸せになれた」と話している。

■とんと
平成25年6月ごろから、富士山頂で飼い主に置き去りにされたらしい犬が目撃されるようになり、同年7月に「RJAV被災動物ネットワーク」が保護した。
3、4歳のオス。
「富士男」と呼ばれ、シェルターで暮らしていた26年9月、ニュースで富士男を知ったカフェ経営の夫婦が「死んだ飼い犬と似ている」と引き取りを希望。
試行期間を経て同年10月に譲渡された。


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