田辺市元町で猫が不審死 虐待防止の看板設置
2013年6月27日 紀伊民報
和歌山県田辺市元町の市ごみ処理場近くの道路沿いでこのほど、虐待を受けたとみられる猫3匹が死んでいるのが見つかった。
現場近くには数匹の捨て猫がすみ着いており、市は犬や猫を捨てたり虐待したりしないように呼び掛ける看板を設置した。
猫の死骸を見つけた市内の男性によると、5月27日、3匹が道路沿いに死んでいた。
1匹は首が半分ほど切られ、1匹は顔の半分がへこんでおり、残る1匹は外傷はないが口から血を出して横たわっていたという。
「病死や事故ではなく、虐待ではないか」と話している。
男性は市のごみ処理場に連絡し、死骸はまもなく焼却された。
この話を聞いた動物の保護活動に取り組んでいる田辺市神子浜2丁目の主婦、中村あけみさん(48)が現場周辺にビラを張るなど虐待防止の注意を呼び掛けられないかと市に相談。
市は「動物の遺棄・虐待は犯罪です」などと呼び掛けた看板を作り、道路沿いに2枚取り付けた。
中村さんは「猫がかわいそう。虐待は絶対にやめてほしいし、捨てずに最後まで責任を持って飼ってほしい」と話している。
現場周辺では、他にも捨て猫が確認されており、中村さんは捕獲して避妊や去勢手術したいという。
動物の愛護及び管理に関する法律では、愛護動物を捨てると50万円以下の罰金、殺したり傷つけたりする虐待を行った場合は1年以下の懲役か100万円以下の罰金となっている。
愛護動物とは、人間が飼っている哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類を指す。
この改正法がことし9月1日に施行され、遺棄した場合は100万円以下の罰金、虐待の場合は2年以下の懲役か200万円以下の罰金となる。
【動物の虐待防止などを呼び掛ける看板を設置する田辺市職員(右)と中村あけみさん
=和歌山県田辺市元町で】