人間だけじゃない!ペットの高齢化・介護
2015年8月13日 マイナビ
犬の平均寿命は、30年前に比べて倍にまで伸びている!
今から約30年前の犬の平均寿命は、6歳~7歳。
そして現在の平均寿命は、なんと14歳。
人間に換算すると、およそ40歳から70歳にまで寿命が延びた計算になるんです!(※小型犬の場合)
栄養価の高いドックフードが普及したことや、医療技術が向上したことで、長生きする犬たちが増えたのは良いことなのですが、その一方で、新たな問題が獣医師や飼い主達を悩ませているのだとか。
それが、『ペットの高年齢化・介護問題』なのです。
心臓や神経、関節の障害など、人間と同じような症状に苦しんでいたり、介護なしでは生活できない犬が増えました。
介護問題は人間だけの課題ではなくなってきているのです。
犬の介護って、具体的に何をするの?
その内容は、オムツ交換や食事介助、関節のマッサージなどさまざま。
中には、寝返りがうてなくなってしまい、24時間の見守り介護が必要な重症の犬たちもいるんですよ。
飼い主であれば、最後まできちんと介護をしたいのは当然なのですが、犬のために会社を休んだり、育児や家事そっちのけで24時間介護し続けるのは、現実的には不可能です。
そうした悩みや、葛藤を抱える飼い主さんたちを救うべく、いま、獣医師や動物看護師、ペットショップによる犬のための介護サービスが拡がりを見せているのです。
例えば、大手ショッピングモールが提供する犬用の介護施設では、流動食を用意して食事のサポートをするほか、床ずれ防止のために、スタッフが24時間体制で介護を行うなど、人間顔負けの設備とサービスを整えています。
また、犬のための訪問介護サービスも人気で、毎日数時間、定期的に介護を任せることができる事業所や、ヘルパーから、介護方法やポイントを教えてもらえる事業所など、各社、介護者の負担を減らすためのさまざまなサービスを提供しています。
これからの獣医師、動物看護師にとって、高齢犬医療や看取りは、欠かせないキーワード。
日本のペットショップで販売されているのは、大半が、生後数カ月の小さな子犬ばかりです。
そのため、飼い主は老犬になった時の犬の飼い方を想定しておらず、いざ、介護が必要になった際に、とまどってしまうケースが少なくはないのです。
昔であれば、動物病院は、病気をした際に訪れる場所でしたが、最近では、突然の介護にとまどう飼い主が増えていることから、介護のアドバイスや、自宅で看取る場合のサポートを求められる機会も増えてきています。
また、昔は寿命がそこまで長くなかったことから求められる機会の少なかった犬の認知症ケアや、リハビリケアに関する知識も必要になってきました。
誰もがペットは自分の家族だと思い、大切に育てる時代。
獣医師や動物看護師の果たす役割は、自分の子供を任せる主治医同様、心の支えとなる重要な人物となりつつあります。
ペットの介護施設から~
写真の上に写っているワンコは御歳15歳のまめ柴のおばあちゃんです。
目が見えず、耳も遠く、嗅覚も低下しています。
最初にお預かりの問い合わせを受けた時、正直迷いましたが、自分の経験を信じてお受けしました。
目が見えず、耳がほとんど聞こえず、歯が一本も無く、大手術をして生還した愛犬と暮らしていたからです。
目が見えない、耳が聞こえない、足が悪い・・・これらは日常生活に不便ではありますが、それで寿命が尽きる訳ではありません。
おまけに当のワンコ達はとても明るいです。
目が見えないからと泣きながら暮らしているわけではなく、ご飯を欲しがり、散歩が好きで、抱っこすれば満足そうにして・・・普通のワンコ達と何ら変わりません。
写真のまめ柴婆ちゃんの場合はフリーにするといつまでもぶつかりながら歩き回るので、サークルに入れて傍についているとそのうち落ち着きどころを見つけてお昼寝し始めます。
シニア犬にとっては自宅と違う場所で独りで過ごす事はかなりのストレスになりますが、ワンちゃんの様子を見ながら出来る範囲でお預かりを受けています。
飼い主さんがどうしても留守にしなければならないご事情がある時、身体が不自由な愛犬を独り置いて長時間家を空けるのでは、心中穏やかではないはずです。
ワンコの様子によっては「ペットシッター」という方法もあります。
留守中にスタッフがお伺いしてワンちゃんのお世話をするというシステムです。
ペットも長寿の時代です。
元気で長生きが一番ですが、実際はそうもいかないのが現実です。