2015年6月16日(火) 日刊県民福井
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飼い主に意地悪、犬も嫌う=利害なくても感情的に? ―京大
2015年6月11日(木) 時事通信
犬は飼い主に非協力的な人を嫌う―。
京都大学の研究チームは11日、犬が飼い主への協力を拒む「意地悪な人」から餌をもらわない傾向にあるとの研究結果を発表した。
自らの利害に関係なく、感情的に第三者を評価している可能性があるという。
京大大学院の藤田和生教授と院生の千々岩眸さんらの研究チームは、生後7カ月から14歳の犬と飼い主54組を対象に、透明な箱のふたを飼い主に開けてもらう実験を行った。
飼い主の両脇には、何もしない「中立者」と飼い主が助けを求める「応答者」が着席。
54組を(1)、応答者の協力で飼い主がふたを開ける(2)、応答者が協力を拒否しふたが開かない(3)、飼い主は助けを求めず、応答者は顔を背ける―の3グループに分けた。
その後、中立者と応答者が餌を与え、犬がどちらを選ぶか観察した。
4回ずつ繰り返した結果、応答者が協力を拒否した場合だけ、犬が応答者を避けて中立者を選ぶ傾向が顕著に現れた。
自らの利害に影響がなくても、好ましくない行動を取る他者を避ける行動はフサオマキザルでも確認されており、人間では3歳児の実験で同じ行動が見られるという。
藤田教授は「人や人に近い動物以外でも、複雑な感情が社会的行動につながっている可能性がある」と分析。
リスザルや猫での検証も計画している。