神戸でもおてんばレッサーパンダ 動物園、脱走防止に苦労
2015年4月24日 福井新聞
角度をつけた壁を元気に登るミンファ(神戸市王子動物園提供)
かつて鯖江市西山動物園(福井県鯖江市)から脱走騒ぎを起こしたことがあるレッサーパンダの雌ミンファが、引っ越し先の神戸市王子動物園でも、相変わらずのおてんばぶりを発揮している。
展示スペースから何度も“脱走”。
そのたびに対策を施してきた動物園では現在、脱走防止用に約400万円もかけての外壁の改修工事を進めている。
ミンファは現在8歳。
愛らしい顔と非常に高い運動能力、好奇心を持つ。
鯖江市では2008年、飼育場から2~4メートルの壁を越えて脱走。
市などがのべ300人を動員して捜し、約24時間後に見つかる騒ぎを起こしたことがある。
その後5匹の子どもを育てた経験を買われて昨年3月、繁殖のため引っ越した。
新天地で最初の“脱走”は、移って約1週間後の一般公開初日。
慣れるまでの処置として、パートナーの雄ガイアと高さ1メートルのアクリル板で隔てたスペースに入れられたが、簡単に登ってしまった。
高すぎる運動能力に職員は「あぜんとした」という。
その後、アクリル板に高さ約50センチのベニヤ板を足しても、ベニヤ板を反るように角度を付けても楽々と登ったため、屋内の獣舎に移された。
今年1月からは繁殖シーズンのため、屋外でガイアと同じスペースに入っている。
あちこちを見渡して旺盛な好奇心をのぞかせているという。
同園では現在「何が起こるか予想できない」として、外壁などを登りにくいものに換える工事を約400万円もかけて進めている。
西山動物園では「ミンファの筋力、度胸、好奇心は抜群で活発に動くのは元気な証拠。あとはしっかり子どもを産んでほしい」と話している。