実は深い歴史が。「雑種猫(ミックス猫)」の意外なトリビア
2023年6月23日(金)
世界には、約300種もの猫種があるといわれていますが、日本で飼育されている猫の多くが、雑種猫です。
雑種猫が繁殖する主なルートは、野良猫同士での交配によるものです。
そのほか、異なる純血種の親猫とのあいだで意図的に交配した子猫を「ハーフ猫」や「ハイブリッド猫」と呼んで区別することもあるようです。
近頃では「雑種=野良猫」というイメージを払拭するため、「交配種」や「ミックス」という新しい呼び方をするケースも増えてきています。
今回は、そんな雑種(ミックス)猫に関する共通した特徴や、あまり知られていないトリビアなどを、猫写真家の石原さくらさんに伺いました。
Mix(ミケ)の鈴ちゃん♪
◆純血種に比べて、危機察知能力が高い!
純血種は、その見た目や性格を残そうと、人の手で交配を繰り返して作り出したものです。
しかしミックスは自然に交配をして、自分の命を自分で守りながら暮らしてきた歴史があります。
そのため、自力で生き抜くための力である危機察知能力などが、ミックスの遺伝子に組み込まれて脈々と受け継がれてきたのです。
◆今後はかぎしっぽの猫はレアになっていくかも
カギしっぽは、主に長崎県や離島などの限定された地域で多く繁殖してきました。
ただ、長いしっぽの猫とカギしっぽの猫が交配した場合、生まれてくる猫は「長いしっぽ」の猫が多い傾向にあるそうです。
近年はノラ猫の不妊治療が進みつつあるため、カギしっぽの猫は今後減少していくと考えられています。
◆日本初の飼い猫は「黒のミックス猫」!
日本で最初に猫の存在が記録されたのが、平安時代初期に記された宇多天皇の日記です。
そこには「中国から渡ってきた黒猫を先帝の光孝天皇から譲り受け、5年にわたって大切に育ててきた」とつづられていました。
この日記の内容から、日本で初めて飼育された猫の色は「黒」とわかったのです。
◆長いしっぽの猫は中国から来たらしい!
Mix(ミケ)のつばきちゃん♪
日本には古くから「京の猫は尾の長い唐猫」という言い伝えがあります。
唐とは昔の中国のことなので、中国から入ってきた尾の長い猫が京都を中心に飼育されていたことから、このような言い伝えが残ったのではと考えられています。
実際に、平安時代から室町時代の絵画に描かれた猫を調べると、全て長くてまっすぐなしっぽが描写されていたという研究結果もあるそうですよ。
生き抜く力が強かったり、日本で最初に飼われていたりと、あまり知られていないトリビアが満載のミックス猫。
純血種に勝るとも劣らないさまざまな歴史があるのです。
お話を伺った先生/石原さくらさん(猫写真家 猫研究家 愛玩動物飼養管理士1級)
参考/「ねこのきもち」2021年3月号『純血&ミックスのニッチなネタが満載!明日きっと話したくなる 猫種トリビア』
文/東里奈 ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
ねこのきもちWeb編集室
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