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秋田犬が捨てられる事例相次ぐ【徳島】

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秋田犬が捨てられる事例相次ぐ【徳島】

2023年5月16日(火)

ふわふわとした毛並みで人懐っこい表情をふりまく一頭の秋田犬。
この秋田犬がいるのはNPOの動物保護団体の施設です。
こちらでは捨てられたり虐待を受けた動物たちを保護し里親を探すなどの活動をしています。
(小喜多雅明記者)

なぜここに秋田犬がいる?
(動物保護団体「ハート」広報担当・東條仁志さん)
「徳島県阿南市で、彷徨っていたらしくて、それを見かけた人が、 一時保護として、家に連れ帰って見てくれていた」
「飼い主を探しているが、まだちょっと見つからない」
(記者)
男の子女の子?
(東條さん)
「女の子。メス」
(記者)
なんかお乳が張っているが?
(東條さん)
「そうですね。一応、獣医曰く、 産後ひと月以内かなと」
(記者)
子犬を産んだばっかり?
(東條さん)
「そうですね。ひと月以内です」
(記者)
産んだばっかりで、飼い主が見つからないのは、どんなことが考えられる?
(東條さん)
「まあ、いろいろ考えられるが、やっぱりその繁殖目的で使用されていた可能性もあるし、年配の方なら探さないでも、その内帰ってくるだろうみたいなのもある。 ほったらかしの人もいる。」
この秋田犬が保護された場所は、徳島県阿南市の中心部から少し離れた阿南市橘町小勝島のゴミ処理施設の中にある公園です。
この女性は先月26日に秋田犬を発見し保護しました。
(記者)
このトイレにいたんですか?
(女性)
「女子トイレの中から出てきて、寄って来たので、おやつのジャーキーをあげると食べたので、おいでと言って、車をこちらまでつけて、車の中におやつを置くと、すぐに乗ってくれたので、そのまま保護して家に連れて帰った」
連れ帰ったその秋田犬は、脱水症状だった上にお尻から出血も続いていたと言います。
そこで女性はこの秋田犬を動物病院に連れて行きました。
(女性)
「出血は、産後に出る悪露みたいなものだろうと。 年齢は2歳3歳、2歳ぐらいかなぁと。」
(記者)
「最初保護した時はどんな気持ち?」
(女性)
「なんでこんなところに、秋田犬がおるんだろう。 秋田犬って天然記念物だから、マニアの人は大事にするはずなのに」
ゴミ処理施設に設置されている防犯カメラには、その秋田犬が写っていました。
通り過ぎる車に助けを求めているように見えます。
長年、動物保護活動に取り組む辰巳しずかさんです。
辰巳さんは迷い犬を保護し飼い主に戻すなどの活動をしています。
(辰巳さん)
「去年の5月に、ここからすぐ近くのところでも、迷っている秋田犬が、発見された」
取材班はその場所を訪ねました。
(記者)
「去年、この辺で秋田犬が発見されたと聞いたんですが?」
(男性)
「この庭ですね」
(記者)
「どんな感じで?」
(男性)
「もう普通に飼い犬みたいな感じでおとなしくウロウロしていた」
(記者)
「近寄って来て?」
(男性)
「はい」
この場所は先月、秋田犬が発見された場所から車で5分程度しか離れていません。
去年8月にも更にもう一頭阿南市内では秋田犬が保護されています。
辰巳さんらはチラシを配り飼い主を探しましたが、いずれの秋田犬も元の飼い主は、見つかりませんでした。
阿南市内では去年から今年にかけて3頭の秋田犬が保護されたのです。
徳島市内でも先月20日に秋田犬が保護されていました。
小喜多雅明記者「実は去年の3月にも、このマリンピア沖洲では、 1頭の秋田犬が保護されました。」 「去年から今年にかけて、同じエリアで2頭の秋田犬が保護された ということです」
(秋田犬を発見した家族)
「私の娘が第一発見者で、会社の近くで秋田犬が、座っていて」
(記者)
「道に座っていた?」
(秋田犬を発見した家族)
「リードが外れていた状態で道に座っていた」
「車を降りたら駆け寄って来て」
この家族はこの秋田犬を保護しましたが、飼い主はこれまでに現れる様子はありません。
このままでは、秋田犬の行く末がと心配にしたこの家族は、自宅で飼うことを決めました。
(記者)
「助けてあげたいという気持ちが?」
(保護した秋田犬を飼うことを決めた家族)
「この子は何も悪くないので」 「まあ腹立たしいけど、事情を知りたい」 「なんでそういうことになるのか」 「どんな理由があって、そんなことになったのか知りたい」
これまでの話をまとめると、去年から今年にかけて、徳島市のマリンピア沖洲で2頭、阿南市内で3頭と分かっているだけで5頭の秋田犬が保護されています。
相次いで秋田犬が保護されている状況について、かつてブリーダーをしていた人に話を聞きました。
(元ブリーダー佐藤るみさん)
「日本犬は、本能で自分の家に帰るという性質を持っている」 「だから本当に幸せで、大事に飼われていたら、何日経っても主人の下に帰る」
(記者)
「けっこう離れていても?」
(佐藤さん)
「はい、けっこう離れていても戻ってくる」
(記者)
「さまようということは、帰ろうとしていない?」
(佐藤さん)
「帰ろうとしていないということ」
(記者)
「あまり良い環境ではなかった?」
(佐藤さん)
「いい環境ではなかった」
(記者)
「秋田犬が捨てられているとしたら、どういうことか?」
(佐藤さん)
「例えばペットとして飼うのであれば、秋田犬は、犬自身が大きいので、何頭も飼わない。 1頭を亡くなるまで、飼い続けるはずだ。 ただこういう風に捨てるということは、ブリーダーとか、こういう犬たちで生活の基盤を作っている人が、捨てたということがあり得るのでは?」
数年前まで佐藤さんは柴犬のブリーダーでした。
ブリーダーをやめてからも残った犬を、最後まで面倒を見るため施設を残しています。
ここでは冷暖房が備えられた快適な環境で柴犬たちが生活しています。
秋田犬をはじめ多くの犬が捨てられる現状に佐藤さんはこう訴えます。
(元ブリーダー佐藤さん)
「今、マイクロチップを入れるのは、これからの犬たちだ。 そうではなくて、今飼われている飼育されている、もしくはペットとして、もしくはブリーダーが、飼っている今、現実生きている犬たちすべてにマイクロチップを入れるべきだ」
2022年6月以降に生まれた犬にはマイクロチップを装着することが義務付けられています。
佐藤さんはそれ以前に生まれた犬やそしてブリーダーが飼う犬にもマイクロチップの装着の徹底が必要だと話していました。
いったい誰が秋田犬を捨てたのかは分かりません。
ですが、明らかに誰かの下で飼われていた犬であることは間違いありません。
飼っていた人は今、どんな気持ちでいるのでしょうか。
動物を捨てることは犯罪です。
遺棄や虐待をした場合は動物愛護法で懲役1年以下または100万円以下の罰金となります。


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