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戦時下でウクライナの動物たちが住まいを見つけるのは難しくなっている

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戦時下でウクライナの動物たちが住まいを見つけるのは難しくなっている

2023年3月1日(水) 

ロシアがウクライナに侵攻して1年が経つが、戦禍で住まいを失ったのは人間だけではない。
人々が飼えなくなった動物たちを保護する施設の現状はいまどうなっているのか?
米紙「ニューヨーク・タイムズ」が現地を取材した。


ウクライナのヘルソンで爆撃により重傷を負ったボニーの世話をするリナ・ブリズナ。リヴィウにある動物たちの保護施設「ドミウカ」で Photo: Maciek Nabrdalik / The New York Times

ウクライナ西部の都市リヴィウの中心地からほど近いところに、ズネシンニャ公園はある。
敷地内のアニマル・サンクチュアリに入ると、犬の鳴き声が真っ先に聞こえてくる。
たくさんの犬たちが吠え、うなり、間に合わせの騒々しい楽団員たちが、不協和音のオペラを披露している。
この犬たちは、爆破された街々から救出されたり、住み慣れた家を追われてペットの世話をできなくなった難民たちに取り残されたりした、戦争孤児なのだ。
その住まいは、かつて廃墟だった巨大な倉庫だ。
そこに急きょ、木製や金属製のケージが何列も並べられ、不要になった毛布が敷かれ、ペットフードの袋が山積みになっている。
オレスト・ザリプスキーが、この「保護された動物たちの家(ドミウカ)」を始めたのはいまから5年前のことだ。
もともとはケガを負った絶滅危惧種の野生動物を世話するためだった。
最初に保護したのは、狩猟犬の訓練用に使われた、爪と歯を抜かれたキツネたち、安楽死させられる寸前だったサーカスのサル1匹、片方の翼を切られたフクロウ1羽だった。
だが、ロシアが2022年に侵攻してきて以来、ドミウカは、保護されたペットたちのための施設にもなった。
いまでは犬や猫、うさぎ、馬、子羊、鳥もこの施設で暮らしている。
戦争前、サンクチュアリに収容されていた動物の数は200くらいだった。いまその数は、500以上だ。

里親になる人は減っている
「まったくスペースがなく、大騒動でした」と言うのは、ボランティアのヴィクトリア・スターシウだ。
犬舎が、古いレンガとコンクリートの倉庫のなかに急ごしらえされた。
そこはそれまでゴミを入れておく場所だった。
ここから車で1時間ほどかかる別の場所には、羊や山羊、ラマが170匹いて、ドミウカのボランティアたちが、寄贈された土地の一画で世話している。
この動物たちは、ウクライナ南部の都市ザポリージャにあり、見捨てられるほかなかったふれあい動物園で飼育されていた。
この1年で、何千という動物を迎え入れてきたとザリプスキーは言う。
戦争が始まって迎えた春、飼い主や保護者が、通常であれば必要とされるワクチン接種などの条件なしで、国境を越えてヨーロッパ諸国に動物を連れていくことが、短期間ながら許されるようになった。
ドイツとポーランドからバスが何台もやってきて、ボランティアたちが犬や猫、うさぎを連れて帰った。
5500近い数のペットが保護され、ウクライナ国外に新しい住まいを見つけた。
さらに1500ほどが、国内で里親を見つけた。
だがいま、里親になる人は減っている。
ウクライナ国外にいて、戦争の惨状からペットを解放してあげたい人は、200ユーロ(3万円弱)ほど払って迎えに来なければならない。

【画像】リヴィウにある保護動物たちの家「ドミウカ」

Patricia Cohen


ロシア軍のミサイル、音響装置によって黒海のイルカが次々と死亡
ウクライナ侵攻によって大量死する、絶滅危惧種のイルカたち

2023.1.12 


黒海のウクライナ沖で見られたイルカ(2020年)  Photo: Volodymyr Tarasov / Ukrinform / Future Publishing / Getty Images

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、11ヵ月が経とうとしている。
この戦争の影響を受けているのは人間だけではない。
周辺の黒海に生息するイルカたちも、非常に大きな被害を受けているのだ。
英「BBC」によると、戦争開始以降、各国の黒海の海岸沿いで大量のイルカの死骸が打ち上げられているという。
ウクライナ南西部のトゥズリー国立自然公園の調査責任者イワン・ルセフによると、2022年5月までに約2500頭のイルカの死骸が各国の黒海周辺の海岸に打ち上げられた。
この数字はロシアとジョージアのものは含まない。
また、ほとんどのイルカの死骸は海の底に沈んでカウントされないため、実際の死亡数はもっと多いと考えられる。

黒海でイルカが大量死 軍艦の「ソナー」が影響か(2022年9月2日) - YouTube


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