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守れ!野生のコアラ

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守れ! 野生のコアラ − 豪・ブリスベン

2015年02月14日 毎日新聞


ボランティアの女性に抱かれる生後6カ月のみなし子コアラの「テオ」。乗馬中の人からの通報で、病院に保護された。 「木の上で生活する母親がワシやフクロウなどに襲われ、子どもを木から落としてしまうことがよくあるのよ」とケアする女性は話した。
 =オーストラリア・ブリスベンで2015年1月15日、長谷川直亮撮影

豪州を象徴する人気者のコアラ。
生息地であるユーカリの森が減少し、野生のコアラの数が激減している。
18世紀末、欧州からの入植が始まる以前は1000万頭以上が生息していたが今では12万頭以下になっているという。
同国北東部、クイーンズランド州にある「コアラコースト」(375平方キロ)と呼ばれる地域では、この20年間で生息数が3分の1以下の2000頭にまで減少した。
豪州の人口は2006年には約1980万人だったのが8年間で350万人以上増え、住宅地の造成、道路やショッピングモールの建設などが進み、コアラの生息地である森林が伐採されている。
豪州のコアラ保護団体「オーストラリア・コアラ基金」のダグラス・ケーリンさん(37)は「有効な対策がなければ絶滅するおそれがあります」と話した。
野生のコアラの保護、治療をするためクイーンズランド州政府によって設立された「モギル・コアラ病院」は2人の獣医師と4人のスタッフ、約40人のボランティアで運営されている。
年間700頭もの病気やけがのコアラを救助して野生に戻している。
人口増による土地開発で人間とコアラの住む地域が近くなり、ストレスでクラミジアなどの病気になったり、素早く動けないため、自動車との衝突事故に遭ったりペットの犬や猫にかまれたりして運び込まれるコアラも多い。
住宅のプールに落ちて溺れるコアラもいる。
「一頭でも多く助けて自然に返したい」。
同病院のアラン・マキノン獣医師(64)は話した。
「私たちは野生動物と共に生きていかなくてはなりません。私たち人間も地球の自然の一部なのですから」
<写真・文 長谷川直亮>(ブリスベン周辺で1月に撮影)


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