Quantcast
Channel: 動物たちにぬくもりを!
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3575

多発する高齢者のペット飼育トラブル

$
0
0

ベッドの横に死骸 多発する高齢者のペット飼育トラブル

2022年12月7日(水)

大津市の動物愛護団体や市社会福祉協議会が連携し、高齢者のペット飼育を巡る課題を新たな社会問題として発信する活動に取り組んでいる。
ペットが増え過ぎて適正に飼えなくなる「多頭飼育崩壊」や、飼い主の入院・施設入所時に引き取り手がいないといったトラブルが多発しているためだ。


猫の保護活動に取り組む藏田さん(大津市内)

猫の保護活動に取り組むNPO法人「ラブ&ピースプレイ」(大津市)と市社会福祉協議会、市動物愛護センターなどが2018年に結成した「人と動物の福祉を考える会議」。定期的に会合を重ね、ペット飼育に問題を抱えた人への対応策を検討してきたほか、介護支援専門員(ケアマネジャー)も交え、介護の現場などで起きているペットにまつわる課題の洗い出しや共有にも取り組んでいる。
昨年12月には、同法人が市内の独居の高齢者宅から不衛生な環境で飼育されていた猫13匹を引き取った事例があった。
飼い主は子どもと疎遠で認知症を患っていた。
藏田和美代表(52)は「部屋はふんや尿まみれで、ベッドの横にはバスタオルにくるんだ死骸もあった。本人が飼い続けるのは無理と判断した」と話す。
藏田さんは、核家族化などを背景にペットを飼う高齢者が増え、多頭飼育崩壊の事例が目立つようになったことを実感するという。


NPO法人「ラブ&ピースプレイ」が猫13匹を引き取った大津市内の高齢者宅の室内。管理が行き届かず不衛生な環境で飼育していた(2021年11月)=同法人提供

「孤立や困窮など飼い主も何らかの問題を抱えており『動物を保護して解決』とはならない」と指摘する。
さらに、介護事業者や行政、飼い主などから連絡を受けてペットの受け入れを担う愛護団体は「多くが運営を寄付収入に頼っている。資金がある時しか引き取りができない」として公的支援の充実を訴える。
市内の居宅介護支援事業所に勤めるケアマネジャーの細見美津子さん(52)は、高齢の飼い主の入院や施設入所が必要となった際にペットの引き取り手を探す困難さを挙げる。
細見さん自身もこれまで5例ほど担当し、愛護団体に預けたり、動物好きの介護ヘルパーに飼ってもらったりした。
「本来の職務でないがむげにはできず、多くのケアマネジャーが困っている。ペットに関する支援制度を考える時期に来ているのでは」と話す。

 

杉本彩も実感 他人事ではない!
 高齢者がペットを飼育できなくなる問題「何かあった時を想定して…」

2022年12月5日(月)

公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」理事長として動物愛護活動を続ける女優の杉本彩が4日、兵庫・尼崎市内で行われた「高齢者とペット問題を考える」と題したシンポジウムに参加。参加者から報告された実例、尼崎市での対応策に耳を傾けた。


「高齢者とペット問題を考える」のシンポジウムに参加した女優の杉本彩

■動物愛護活動30年
杉本のペットに関わる取り組みは約30年に及ぶ。
ドラマ撮影所で病気の子猫を見つけて治療し、新たな飼い主に託したのがきっかけ。
その後、周囲のサポートも受けながら保護活動を行ったが「救っても救っても終わりがない。皆さんと声を合わせないといけない」と、2014年に「Eva」を設立。
現在は講演や団体のユーチューブチャンネルなどで啓発活動を行いながら、法整備に向けた議員へのロビー活動、悪質な虐待問題には刑事告発に動いている。
この日のシンポジウムは、まず杉本の基調講演でスタート。
自身の活動を紹介しながら「動物行政」の弱さ、各地での動物虐待を強い口調で訴えた。
その後のパネルディスカッションでは様々な実例が紹介された。
高齢者が長期入院や介護施設への入所、死去した後、残されたペットの世話役、引き取り手がいない。
飼い主が認知症を患い、その間の繁殖で多頭飼育になり、近隣環境に影響が出た。
飼い主もペットも高齢の“老老介護”―。
高齢化社会の隠れた問題だ。
これに対して、尼崎市内の「地域包括支援センター」や動物愛護団体、訪問介護ヘルパーらが、世話をできなくなった高齢者からの引き取りに関わったり、ある町内会ではペット去勢手術に少額ながら助成金を出しているという。
行政だけでなく民間が連携した取り組みに、杉本は「目指すべき方向、課題が明確に見えた。これから全国に伝えて広まることに力を尽くしたい」と感心した。

■自身の保護猫も高齢化
杉本は3、4年前はともに保護された猫9匹、犬3匹を飼っていたが、高齢で亡くなり、今は猫6匹。
「今いる猫も高齢なんです。(54歳の)私もこれからそうなっていく。何かあった時を想定して、周囲に(ペットの)お世話をしてもらうお金を残すことも大事」。ペット用の預金口座をつくっているという。
以前、事件化した動物虐待を自身のSNSで伝えると、脅迫を受けたこともある。
それでも動物愛護の熱意は衰えない。
「ペット業者が無責任な販売をしないことに尽きます。どれだけ愛護団体が活躍しても追いつかない。終生、責任を持って全うできる人がペットを迎えるべきだと思います」と切実に呼びかけた。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3575

Trending Articles